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「有料老人ホームで働く理学療法士なんているの?」
という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実際のところはどうでしょうか?
日本理学療法士協会によると有料老人ホームで働く理学療法士の会員は約10万人中100人以下と非常に少ないのです!
あくまでも会員内での人数なので、実際はもう少し多いとは思いますが、病院や介護老人保健施設などに比べると少ないことは間違いありません。
そのため、いざ有料老人ホームへ転職するとしても、どんな仕事なのか情報が少ない状態なのです。
そこで、有料老人ホームで働く理学療法士の仕事内容や求人選びのポイント、転職状況をまとめました。
しっかり読んで、有料老人ホームへの転職に対する不安を払拭してください!
有料老人ホームで働く理学療法士の仕事内容
理学療法士でも有料老人ホームってどんな施設なのかしっかりイメージがわかない人も多いでしょう。
ましてや一概に有料老人ホームと言っても、実は施設の種類は以下の3つに分類されています。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
そのため、より施設のイメージがわきにくくなってしまうのかもしれません。
そこで、まずは有料老人ホームの種類別に仕事内容を見ていきましょう。
介護付き有料老人ホームの特徴と仕事内容
介護付き有料老人ホームはその名の通り、施設内で介護サービスが実施されるといった特徴があります。
また、特定施設として国から指定されており、相談員や看護師、機能訓練指導員などの専門職に係る人員基準が決められています。
そのため、理学療法士は機能訓練指導員という立場で働くことになります。
他の老人ホームに比べ、介護が手厚く、施設によっては要介護度が高かったり、医療行為が必要な方を受け入れたりするという特徴もあります。
そのため、必然的に理学療法士に対するリハビリテーションのニーズも高く、個別リハビリや集団でのアクティビティなどで身体機能やADLの低下を防ぐことはもちろん、施設によっては介護度が重度な方への姿勢調整や介護スタッフへの介助指導、ケアプランニングに対する助言などを行います。
以上の点を見てみると、特別養護老人ホームで働く理学療法士のイメージに近い動きを行うことにあるでしょう。
ただ、特別養護老人ホームに比べ、介護度の低い元気な方の入所が多い施設もあり、軽度〜重度までとより多様な視点が必要になります。
住宅型有料老人ホームの特徴と仕事内容
住宅型有料老人ホームは施設内に介護スタッフがおらず、介護サービスは提供さません。そのため、介護が必要な方は、外部から介護保険サービスを利用することになります。
介護サービスが特に必要のない方の入居も可能であるため、介護付き有料老人ホームに比べると、元気な方の比率が多い施設になります。
一方、介護サービスが付いていないと言っても、デイサービスや24時間型の訪問介護、訪問看護といった介護保険サービスやクリニックなどの医療保険サービスが併設されている場合も多く、幅広い介護ニーズへの対応が可能な施設もあります。
このような自由度の高さもあり、有料老人ホームの中では最も数の多く設置されている施設です。
住宅型有料老人ホームで理学療法士が働く場合は、前述の併設された訪問看護ステーションやデイサービスなどで配属され、有料老人ホームの入居者を対象にリハビリテーションを実施するといったケースが多いです。
求人などで、「併設の〜訪問看護からの訪問業務です」なんて文言が書かれている場合が多いですので、しっかり見てみましょう。
そのような意味ではサービス付き高齢者住宅で働く理学療法士に似た仕事内容になると考えても良いですね。
健康型有料老人ホームの特徴と仕事内容
健康型有料老人ホームはその名の通り、元気で健康な介護の必要ない方が住む施設です。
近年、高齢者専用マンションやサービス付き高齢者住宅が多く設置され、類似の施設である健康型有料老人ホームの数はかなり少ない状況です。
レクレーションやフィットネスなどのサービスが充実し、元気な方が充実した生活を送れるようなサービスが提供されます。
理学療法士が働く場合は介護予防の視点からフィットネス部門で働くといったケースがあります。
理学療法士が有料老人ホームへ転職するために知っておきたい求人選びのポイント3つ
施設の種類が複数あり、施設の種類によって特色の違う有料老人ホームですので、しっかりと求人を選ぶポイントを押さえる必要があります。
まずはポイントをざっと見てみましょう!
- 施設の種類はどれか?
- リハビリを売りにしているか?
- 入居者の介護度は?
理学療法士が有料老人ホームへ転職する場合はこの3点をしっかり押さえる必要があります。
それぞれのポイントについて解説していきます。
施設の種類はどれか?
これは、最も基本的なポイントですが、特に住宅型老人ホームの場合は、デイサービスや訪問看護ステーションなど施設に併設のサービスに配置される場合が多いので、自分が最終的にどのような立場での仕事を行うのかをしっかり把握するようにしましょう。
リハビリを売りにしているか?
近年、介護付き有料老人ホームでもリハビリ特化型などと謳っているところもあるほど、リハビリを重視している施設もあります。
そのため、下手な介護老人保険施設よりも、充実した設備や豊富な人員を配置しているところもあります。
そのようにしっかり理学療法士の取り組みを理解し、評価してくれる施設もあるので、同じ有料老人ホームでも自分の働き方を想定して吟味していくことが不可欠です。
入居者の介護度は?
これは利用者層が幅広い有料老人ホームならではのチェックポイントです。
介護度が重度の方の入居が可能で、看取りも行うような施設と介護度が低い方しかおらず、比較的元気な方ばかりの施設では、理学療法士の役割がかなり違ってきます。
そのため、同じ有料老人ホームでもどれくらいの介護度で医療依存どの高い方が入居されているのかをしっかり把握しておくことが重要です。
有料老人ホームに理学療法士の転職ニーズはあるの?
いろいろ有料老人ホームに転職する際に知っておきたい事を紹介しましたが、ぶっちゃけ理学療法士の転職ニーズはあるかが気になるところですよね(笑)
実際は「あります」!
というのも、民間企業の運営が多い有料老人ホームでは他施設との差を出して入居者を確保していくことが求められています。
現在の健康ブームや地域包括ケアシステムによる介護度の重度化予防の流れから、リハビリは今や不可欠のサービスとなっています。
私の法人でも有料老人ホームへ移られる方は「リハビリがしっかりできるところが良い」とおっしゃる方がほとんどです。
そのため、今後はますます有料老人ホームで働く理学療法士は増えていくでしょう。
最後に
意外と知らない有料老人ホームでも十分理学療法士の役割や働きがいがあると感じて頂けたでしょうか?
細かいリハビリ加算の算定要件や関わり方の決まりがない分、施設や入居者のニーズに合わせてフレキシブルに働ける職場です。
是非、今までの経験を生かして、自由に働きたいという方は有料老人ホームへの転職を考えてみてはいかがでしょうか?