[PR]

生活家電に関しては海外製品の煽りを受けにくく、売り上げも堅調です。AV家電に関しては中国製品や韓国製品の質が高くなってきており、その煽りを受け、厳しい状況となっています。

家電メーカーに就職・転職を考える際には、その会社の業態・主力製品をしっかりと意識しなければならないでしょう。

カメラメーカーは、2010年頃から、コンパクトデジタルカメラの売り上げが減少傾向にあります。これは、高画質で写真を撮ることのできるスマートフォンが急速に普及したことが原因です。

その反面ミラーレス一眼は出荷金額が伸びています。スマートフォンよりも高画質で撮影できる、レンズ交換式カメラはまだまだ需要があるようです。

家電・カメラ業界の求人動向

家電・カメラ業界はどの企業もキャリア採用に積極的です。総合家電・エアコン・AV家電・カメラと業態は様々ですが、どの業態でも、エンジニア系の職種の人材が不足しており、常時募集があるといった状況になっています。

総合家電

家電を総合的に手がけている会社といえば、パナソニック・シャープ・三菱電機あたりが大手三社と言える企業でしょうか。どの企業もエンジニア職のキャリア採用が盛んです。パナソニックであれば、機械・機構設計や生産技術・プロセス開発といった、電気・電子・機械関連のエンジニアの求人が多く出回ります。

総合家電メーカー全体的に、エンジニア職の中でもIT・通信・システム関連は比較的募集が少なく、品質管理や営業といった職種の求人は圧倒的に少ないです。それでも常時求人があるので、十分チャンスはあります。

エアコン

エアコンメーカーと言えば、ダイキン工業と富士通ゼネラルの二社のシェアが圧倒的に高いです。ダイキンはキャリア採用に積極的で、各職種ともに数件の案件がありますが、富士通ゼネラルは各職種ごとの求人案件数は少ない傾向があります。どちらも、ほとんど常時求人があるといった状況です。

ダイキンは社内SEの応募が最も多く、富士通ゼネラルは品質保証技術の募集案件が最も多い傾向があります。どちらも経験者採用のみで、未経験者の採用はありません。同分野の職務経験が問われ、年収は500万円以上となっています。

AV家電

ソニーやパイオニア、JVCケンウッドがAV家電メーカーに入ります。AV家電メーカーはエンジニア系の職種の募集はもちろん多いですが、企画・マーケティング職の募集も多いです。特にソニー株式会社では、蓄電商品の事業戦略担当や、ビデオ&サウンドビジネスの事業開発などといった職種が募集されています。

ソニーは募集が出る頻度が高く、常時何かしらの募集を行っています。さらに職種の種類も豊富です。パイオニアは中途採用にはあまり力を入れていないようで、採用を行っていない時期もあります。ソニーは比較的安定していて従業員も多い大企業で人材も豊富に必要ですが、パイオニアやケンウッドは従業員数が少なく、新卒採用がメインとなっているようです。

カメラ

カメラ業界は、国内だとキャノンとニコンの二社がメインと言えるでしょう。特許技術やソフトウェア開発関係で中途採用求人が出ることが多いです。キャノン・ニコンのどの職種であっても、3年以上の業務経験が必要となっています。

キャノンは年間200名を目安としてエンジニアの中途採用を行うとしており、エンジニア経験者が転職しやすい環境が整えられています。ニコンのエンジニア職は新卒採用がメインで、中途採用はそれほど多くありません。

今後もキャノンは年間200名を目安として中途採用を行うとのことなので、カメラメーカーに転職するのであればキャノンが狙い目だと言えるでしょう。

家電・カメラ業界の主な募集職種

家電・カメラメーカーには、研究・商品開発、企画・マーケティング、生産、営業と大きく分けて四つの分野の職種があります。季節ごとに新商品を出す傾向のある家電・カメラメーカーでは、研究・商品開発職や企画・マーケティングの役割がとても大きく、仕事も忙しいです。

生産は生産企画や生産ラインのチェックなどを行い、量産化にあたって品質管理や生産プロセス技術職が技術的課題を解決していきます。営業は家電量販店に働きかけて、店頭での露出をはかり、マーケティング職が広告代理店と協力して販売促進していくのです。

研究職

家電・カメラメーカーの研究職は、基礎研究と応用研究とに分かれます。新商品の開発に向け、有効な素材を探索し、新しい要素技術を模索することが仕事です。家電・カメラメーカーは季節ごとに新商品を出しており、商品開発のサイクルが早いです。新商品を出したら、今度は次の季節の新商品に向けて基礎研究・応用研究をしなければなりません。

研究の成果がしっかりと出なければ、社会のニーズに応えられる製品が出来ないという重要な仕事です。そのためか、非常に忙しい職種となっています。忙しい時期には徹夜続きになり、徹夜明けの朝からまた勤務……といったことにもなり得ます。

中途採用での募集は少ない傾向がある職種です。

設計・開発職

設計開発職には、設計開発SEと開発研究二つの分野があります。設計開発SEは製品のシステム部分の設計を行う仕事で、会社によっては工業デザイナーとして雇われることもあるようです。いずれにしても商品のデザイン・設計を行うことに変わりはありません。

家電メーカーの設計職は、光学設計や機械・機構設計、回路・システム設計、制御設計など分野ごとに分かれており、中途採用での募集が比較的多い傾向があります。開発職も材料開発(機械系)・ソフトウェア開発やシステム開発(IT・システム系)などに分かれており、IT・システム系の募集が盛んです。

開発職は特にソフトウェア開発エンジニアが多忙な傾向があります。

生産・調達関連

生産技術・プロセス開発、ロジスティックス、品質管理、調達といった職種がこの分類に含まれます。いずれも工場勤務で、実際の商品製造に関わる仕事です。調達やロジスティックスの人材が、生産に必要な素材・部品の調達・物流ラインを確保します。簡単に言えば仕入れの仕事です。この仕事は、工場や倉庫・本社の各部門と連携をしつつ、取引先との商談を行うとても重要な立ち居地にあります。

生産技術・プロセス開発は、製品を効率よく量産するための生産体制をつくる仕事です。出来るだけコストを抑え、短納期で品質を高くするためにはどうすればいいのかを考え、実行に移します。時には工場の増設や新設も手がけるといった、重要な役割の仕事です。

新製品の開発が行われる前に、生産技術・プロセス開発の中途採用が多く出回る傾向があります。品質管理や品質保証は常時募集している企業が多いですが、調達やロジスティックスに関しては中途採用での募集が盛んではありません。

なお、調達やロジスティックスは理系職種ではなく、事務系の職種となっています。

事務系の職種

知的財産法務、企画・マーケティング・広報・IR・営業といった様々な職種が事務系職に含まれます。特に家電・カメラメーカーでは知的財産法務に携わる人材を募集しているところが多いです。募集枠自体は少ないですが、求人が出回る頻度が高く、多くの会社が同時期に募集を行っています。

家電メーカーは営業職の募集が中途採用で出回ることが多いです。国内営業職は比較的充足傾向にあるようですが、海外営業職に関してはどの企業もあまり満たされてはいない様子。国内営業職に比べて要求されるスキルが高いですが、英語が出来る人は海外営業職を考えてみるのもいいかもしれません。

ただし、カメラメーカーにおいては営業職などの事務系職種を新卒採用で賄っている傾向があり、中途採用は理系職種の募集がメインとなっています。

家電・カメラ業界の主要企業の業績・就業データ

名称 業績 初任給 平均年収 募集規模 従業員数 平均年齢
勤続年数
パナソニック 売上:7兆5,537億円
経常利益:2,170億円
210,000~234,000 7,560,000 300名 51,308人 45.3歳
23.3年
シャープ 売上:2兆4,615億円
経常利益:-1,924億円
184,000~233,000 7,280,000 100名~200名 17,529人 43.3歳
21.4年
三菱電機 売上:2兆6,757億円
経常利益:1,857億円
209,000~233,000 7,780,000 300名 32,534人 40.3歳
16.9年
ソニー 売上:2兆6,423億円
経常利益:1,658億円
213,000~244,500 8,590,000 300名 12,286人 43.2歳
8.5年
キャノン 売上:2兆911億円
経常利益:1,692億円
188,300~238,200 7,870,000 300名 26,360人 42.5歳
17.7年
ダイキン工業 売上:2兆437億円
経常利益:2,095億円
197,000~268,800 7,170,000 250名~280名 6,870人 40.0歳
16.0年

勤続年数が長い会社は、職場環境を重視している

パナソニックやシャープなど、平均勤続年数が20年前後もある会社は、職場環境を重視している傾向があります。両企業とも、どの職種でも毎月20時間程度の残業があり、企画や事務系の職種だと平均で20時間から40時間ほどの残業があります。プライベートよりは仕事を重視する社風はあるのですが、福利厚生が充実していたり、有給休暇や長期休暇の取得ができたり、オフィス設備が整っていたりと、職場環境が整っているのです。

残業は毎日のようにあれども、そういったところで折り合いをつけ、納得して働いています。近年は女性も社会で活躍している時代なので出産・育児支援制度が重視されがちですが、パナソニックやシャープはそういった女性向けの支援制度もしっかりと整えられているのです。

勤続年数が15年前後のところは教育重視

上記6社の中で、勤続年数が15年から18年程度のところは、社員教育制度が整っているところが多いです。そのため社風はプライベートより仕事重視となっています。福利厚生が整っていても、社員教育をしっかり行わないところ・社員教育に納得ができないところでは、長く勤めることはできません。

社員の教育・育成を重視している会社で、意欲高く働けば、それだけ会社内での地位も上がっていきます。

勤続年数が15年から18年程度の会社……特にキャノンやダイキン工業は、教育・育成重視なだけでなく、有給休暇の消化率が高いという特徴もあるのです。キャノンは4割から6割程度、ダイキン工業は8割程度の取得率があるといいます。社員によれば、ダイキン工業は残業時間も少ないようです。

キャノンとダイキン工業は、休暇と教育・育成を同じくらい重視しており、三菱電機やソニーは教育と育成を重視しているが、休暇や社員のプライベートについては少々軽んじられている傾向があります。三菱やソニーはその分成長でき、やりがいがあるので、自身の成長や仕事のやりがいを重視する方には良い職場と言えるでしょう。