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DODAとマイナビエージェントも、転職業界では知られた大手総合型の転職エージェントです。TVのCMや電車の中づり広告でも見かけることがありますよね。

しかし、どちらが自分にとっておトクな転職エージェントか・・・、というと、なかなか外からは見分けがつかないものです。

そこで、元転職エージェント、キャリアアドバイザーだった私が、「元業界人の目」から、両社の違いを徹底比較します。

その際に重要となる視点が、両社のビジネス構造の違いです。

もともと成り立ちやサービス内容の違いから、あなたにとって「合う・合わない」という視点が見えてくると思います。

DODAとマイナビエージェントのビジネス構造を比較

まずは、両社のビジネス構造を比較してみましょう。

設立の経緯から読み解く違い

まず、DODAですが、もともとは学生援護会という会社が母体となって運営されていた、転職情報雑誌から始まったサービスです。

その後、人材派遣大手のインテリジェンスと合併、一般的な転職紹介サイトから、人材紹介(転職エージェント)サービスにも手を広げてきた、という経緯があります。

一方、マイナビエージェントは、進学、就職、転職やITなどの情報雑誌を提供していた出版社である、毎日コミュニケーションズが前身です。

そこから分離・独立した事業として人材サービスを手掛けるようになりましたが、長い間、一般的な求人情報サービスや転職エージェントのポータルサイトを運営しており、独自に転職エージェントサービスを展開するようになったのは最近になってからです。

事業の実態から読み解く両社の違い

この設立の経緯から両社の事業の実態にも違いが出てきます。

DODAは人材サービス業界大手のインテリジェンスが母体となって運営している性格上、人材サービスらしく求人開拓力や転職者へ求人紹介する力に強みを持っている企業です。

また、スピード感も人材サービス企業らしいスピード感で動いてくれるという特徴があります。

また、ベンチャーだったインテリジェンスらしく、流行りの業界やIT業界への求人開拓力が強い、という特徴もあります。

一方、マイナビエージェントの営業姿勢は、DODAに比べるとやや「受け身」型です。求人企業から求人を「受け付ける」タイプの営業が多く、求人企業の層も中堅企業が多いという特徴があります。

ただ、長年の求人情報サイトとしての実績(特に新卒サイトでは利用企業が非常に多い)から、信頼関係を強く結んでいる企業の人事部も多く、BtoBの老舗企業のようなタイプの求人が多いことが特徴的です。

転職者へのサービス提供方式から読み解く両社の違い

また、設立の経緯から転職者へのサービスの提供方式も両社で異なっています。

DODAは、もともとが求人情報雑誌から出発したサービスですので、今でも一般的な求人情報サービスを展開しています。

それに加えて転職エージェントサービスも同じサイト上においてワンストップで提供している、というのが事業の特徴になります。

一方、マイナビは、従来から展開していた求人情報サービス、転職エージェント会社のポータルサイトの機能は残しており、転職エージェントとは別個に運営されています。

これに加えて、独自の転職エージェントのサービスを別個で展開しているという事業実態の違いが生まれてきます。

ただし、マイナビエージェントの場合も、求人情報サービス、転職エージェントのポータルサイト、転職エージェントサービスのいずれかに登録すれば、他のサイトへの登録を比較的簡単に済ませることができるので、DODAと同様のワンストップに近いサービスを提供しているといえるでしょう。

DODAとマイナビエージェントの求人数を比較

まず、転職者が一番気になることは、「どちらの企業がより自分に有望な企業を紹介してくれるか?」ということではないでしょうか?

一見、単純比較では取扱い求人数ではDODAの方が多く、また、ネットの口コミサイトでのレビューでも、紹介数の多さでは、DODAに軍配を上げている方が多いです。

ただし、紹介数の多さは、あなたに合うというマッチングの良さと比例するわけではありません。

人材サービスのベンチャー企業という流れがあるDODAでは、やはり、営業上の理由から、ときにゴリ押し的、あなたが希望しない求人も積極的に売り込んでくるようなところがあります。

これに対し、マイナビエージェントは、紹介数が少ない分、マッチングに焦点を絞って、あなたの希望に合わせた、しっかりした案件を紹介をしてくれるという特徴もあるのです。

自分からガツガツ求人を積極的に紹介してもらいたいタイプはDODA、じっくり自分に合った案件の紹介を転職エージェントに任せたいタイプはマイナビエージェント、といった選び方が正解です。

また、両社の求人開拓力を比較すると、業界的には、IT業界や有名・大手企業狙いならばDODA、名前は知られていないが優良な中堅企業も含めて探す場合はマイナビエージェント、という選択方法も考えられるでしょう。

DODAとマイナビエージェントのサービスの利用のしやすさを比較

前にも述べたように、DODAは、一般的な求人情報サイトと転職エージェントがワンストップで提供されているサービスです。

転職サービスを複数利用して、管理が煩雑で、多忙な転職活動をこなすのが大変・・・、という方にとっては、転職活動の進捗状況を一括管理できるのはありがたいサービスといえます。

一方、マイナビエージェントは、一般的な求人情報サイトなどは別個運営ですから、転職活動の進捗状況を、それぞれ自分で管理していかなくてはなりません。

ただし、マイナビは、他の転職エージェントも紹介しているポータルサイトも運営しているため、「マイナビエージェント以外の」求人情報を入手することも比較的容易です。

私は、転職者に対する評価の観点が転職エージェント毎で異なることから、転職エージェントは複数利用することをおすすめしていますが、その点では、複数利用しやすいサービスではあるといえます。

よって、多忙な時間をぬって、効率よく転職活動したい方はDODA、複数の転職エージェント利用も視野に入れて幅広く転職先の選択肢を求める方はマイナビエージェントというのが正解です。

DODAとマイナビエージェントの転職者へのサービスの質を比較

親身なキャリアカウンセリングや書類添削や面接指導、転職活動情報のコンテンツの量、といった比較で考えてみた場合はどうでしょうか。

DODAはその点、スピード重視で電話面談による登録もOKといった特徴がありますが、スピード重視のあまり、書類添削や面接指導といった点で、良い評価を聞きませんし、実際に力を入れてはいないようです。転職活動情報のコンテンツもあまり充実していません。

これに対し、マイナビエージェントは、ネットの口コミでも有名ですが、親身なサポートサービスで高い評価を受けています。

転職の回数が少なく、また、初めて転職活動するなど慣れていない方には、マイナビエージェントのサービスはありがたいといえるでしょう。

これに対し、転職慣れしていて転職情報の鮮度優先、スピード対応を重視するタイプは、DODAのサービスは快適だといえます。

DODAとマイナビエージェントでの求人マッチング期待度を比較

まず、DODAは、大手総合型の転職エージェントの中でも上位クラスで、求人数も最大手のリクルートエージェントに引けを取らない取扱い数を誇っています。

これに加えて、一般的な求人情報サイトの情報量も加えたら、転職者にとって十分すぎるほどの選択肢が得られることは間違いないでしょう。

しかし、その中に本当にあなたにとっての「マッチする企業」が入っているかというのは別の問題です。

転職エージェントは、転職者のある一面を切り取って、その強みにあった転職先しか紹介しません。それが、あなたにとって望ましい切り口であるとは限らないのです。

ワンストップで利用する以上は、自分の事を一面的にしか評価されていない、という点に注意が必要でしょう。

一方、マイナビエージェントについて、高い評価の意見を耳にするたびにいつも思う疑問(注意点)はこの点です。

親身で、あなたの希望を中心にした転職紹介サービスは、一見、本来の転職サポートの王道のように思えますが、あなたの言う事に100%耳を傾けているだけでは、第三者のアドバイザーである転職エージェントがいる意味はないのです。

これに対し、確かにDODAのサービスは、時に強引さを伴うものの、今まで自分自身では気づかなかった転職の選択肢を示してくれることがあり、選択肢の視野が広がり、マッチングの可能性も高まるというメリットもあるのです。

マイナビエージェントを利用する上では、自分にとっての「心地よさ」と「視野の広さ」が反比例する、というデメリット面に注意が必要でしょう。

最後に

一見すると、同じサービスを展開しているように見える両社でも、広告やHPだけでは分からない、これだけのサービスの「質の違い」があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

転職エージェントを比較するサイトはあまたあると思いますが、表面的な情報にとらわれることなく、ビジネスの実態を踏まえた「深い業界理解」に基づいて、自分のニーズと事情に合わせた、賢い転職エージェントの選択をしたいものですね。