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小学校・中学校・高校と、教育者として活躍している20代の先生は、教育への熱意、期待、理想を抱いて数年間勤務してきた人が多いでしょう。

でも、実際に教員として働いてみたら、現実とかけ離れたギャップに頭を悩ませ、転職を考えている人も少なくないはず。

教師の転職は、サラリーマンの転職とは異なることが多いです。

ここでは、20代の教員として働いていたけれど、辞めたいと思った理由、そして実際に20代の教員からの転職先や、転職に成功した人の声を紹介します。

20代の教員が教師を辞めたい理由を分析

20代の教師は、その年齢の若さゆえに教育業界の体制に納得できなかったり、怒りを感じることも多いでしょう。

そんな前向きな理由じゃなくとも、20代で教諭を辞めたいと思う人は、こんなことを理由に転職したいと考えています。

20代で教師を辞めたい理由その1:生徒にナメられるのが辛い

20代の教員の長所は、生徒と年齢が近いので、学業以外のことでも親身に相談に乗れることも含まれています。

でも、距離が近すぎて礼節をわきまえられない生徒もたくさんいますよね。小学校教諭の場合は、低学年ならタメ口になるのもわかります(まだ社会に出て間もないので)が、高学年になっても敬語を使えないと、イラっとくるでしょう。

また、中学・高校ではより生徒との年齢が近づくため、中には友だち感覚で接してくる生徒もいますよね。

度が過ぎると、イタズラをされたり、授業が成立しないほど私語がとまらなくなったり、教師としての威厳を保てずに、「自分は教師失格かも」と、辞めたい気持ちが強くなる人が増えています。

20代で教師を辞めたい理由その2:卒業年次の保護者から「頼りないから担任かわって」と言われる

小学校・中学校・高校と、私立受験、高校・大学受験を控える卒業年次は、担任の先生だけではなく、保護者もそれ以上にピリピリしているものですよね。

ある中学教師は、保護者からこのようなクレームが来たそうです。

「先生は何年目ですか?まだ3年目ですよね?3年目の新米教員に受験生の子どもを預けるのは心配です。」

「高校に落ちたら責任とれますか?今すぐは無理でも、次の学期から担任を〇〇先生(ベテラン教師)にかえてください!」

自分としては一生懸命やっているし、誰だって卒業年次の担任をはじめて経験して成長していくものなのに、存在自体を否定されているような気持ちになって、もう辞めたい…転職しようかな…と思う先生も多いでしょう。

20代で教師を辞めたい理由その3:「若いから」と面倒な仕事をすべて任される

どんな職場でも、新人が雑務を任されるのはよくある話ですが、教職は抜きんでてタテ社会の色が濃く、何年先輩、何年生まれ、教員歴…どれも下回る20代の教員が雑用を頼まれる頻度は尋常ではありませんよね。

「コーヒーカップ洗っておいて」「学年だよりの印刷お願いね」「懇親会の出し物考えて」などなど、「こんなことのために先生になったんじゃない!」と怒り心頭になり、辞めたい!と本気で考える人は多いでしょう。

20代教師を襲う…うつ病の実態

上記のような悩みを抱えながらも奮闘している先生もいれば、一方で20代という若さですでにうつ病にかかる先生もいます。

厚生労働省の調べによると、公立学校の教員のうち、精神疾患を理由に休職している教師の数は、2014年度は5045人という高い数値を示しています。

しかも、この中でも徐々に20代教師の割合が高くなっており、20代教師の心が壊れつつあることを裏付けているのです。

部活、授業、モンスターペアレンツ…うつ病の原因はさまざまですが、若くして休職した教員は、復帰せずにそのまま他業種・他職種へと転職していくケースも増えています。

20代教師からの転職で収入はどう変わる?

ポテンシャルが買われる20代…転職市場での評価は上々

20代前半の教員は、一般企業でも第二新卒扱いとなりやすく、社会人経験も積んで、ビジネスマナーも人との社会的な関わり方も覚えきた一方で、まだ教職に浸りきっていないために柔軟性が高く、ポテンシャルを評価されやすいのです。

また、若いだけに身体的な丈夫さも買われ、肉体労働をともなうような仕事では、積極的に20代教師を採用したいという企業も少なくありません。

転職市場価値が高い=収入アップの可能性が高い

20代教師は転職が決まりやすい傾向にあり、しかも第二新卒なら需要が高いために、教師からの転職では珍しい年収アップのチャンスも十分にあり得ます。

年功序列の会社では、20代教師のような若年層がいきなり高収入ということは難しい一方、ベンチャー企業、外資系企業などでは年齢に関係なく、実力を評価するという社風から、20代教師でも年収800~1000万円を実現することは十分に可能です。

20代教師からの転職先としておすすめの職種・業界はココ!

20代は、教師ではなくともまだまだポテンシャルが高く、成長性を買って採用する企業も多いため、転職市場では売り手の存在です。

でも、中には「教師時代に散々苦労したから、次はプライベートで遊べるくらいの余裕がほしい…」という人もいるでしょう。

そんな20代教師が若さと教員としての経験・スキルを活かせるのは次のような仕事です。

20代の体力で高収入を実現!MR(医療情報担当者)

MRは、医療系の大学を出ていないといけない…というイメージがありますが、実は元学校関係者も多く、幅広い業界からの転職先としても有名です。

病院・医師などに対して医薬品の情報を伝達しますが、この際、20代の体力が非常に生きるのです。

MRは1日で多くの病院をまわるため、とても体力が必要とされます。ミドルエイジにはこの営業まわりが非常に辛いのですが、20代なら、全国のグルメを堪能しながら余裕を持ってまわれます。

また、教員の給与よりも高い年収が期待できますから、20代だとまだそれほどの年収に達していなくて不満を抱えている人にもおすすめの転職先です。

幅広い知識と若さを活かせる!新聞・雑誌出版/編集

政治・経済・芸能・生活など、幅広い知識と、新しいことに挑戦できる柔軟性を兼ね備えた20代教師は、出版業界でも需要が高くなっています。

電子化が進んだ今、この業界は斜陽といわれていますが、そんな中でも魅力的なコンテンツを作成できるポテンシャルが20代教師には期待できるからです。

若くてもいきなり高収入可能!外資系企業

自由な社風で年功序列と無縁なのが外資系企業ですが、年齢に関係なく実力があれば年収に直結するというシステムが教員の給与体系の概念を覆すのが外資家企業です。

外資系の中でも、営業、事務などの職種によって、求められるスキルは異なりますが、中学・高校で英語教師だった人は、その英語のスキルを実践場面で活かすチャンスです。

まだまだ遊びたい20代に最適!休日の多い大手企業の事務職

教諭の年間休日日数は、部活動などを含めて計算すると、90日あるかないか…という人も多いでしょう。

大手企業の事務職なら、年間休日日数120日はあたりまえ、さらに残業も少なく、給与も事務職にしては高め…という高待遇ぶりです。

120日も休日があれば、教師時代にはやりたいけどやりきれなかったことをたくさん実現できます。

高待遇のため、競争率が高いのですが、「元教師」という肩書きと、20代という若さがあれば、他の転職者にかなりのアドバンテージをつけて採用されやすくなります。

【体験談】20代で教員を辞めてからの転職例

20代教師の場合、新卒で先生になった人がほとんどですから、はじめての転職活動を前にして、「元教師で、しかも20代であまり経験も積めなかったのに、どんな仕事ができるんだろう」と不安になりますよね。

でも、先生を辞めて民間企業に転職した人は、実は少なくありません。では、実際に20代で教員の仕事から異業種・異職種の仕事に転職して成功した人は、どんな仕事に就いているのでしょうか。

MRへの転職体験談(20代後半・男性)

小学校教諭として3年間勤務しましたが、自分の勉強不足もあって、主任にかなり業務負担をしていただいて助けてもらっていたのですが、常にキャパオーバーで限界を感じ、退職しました。

元々人と話すことが好きだったので、次は営業かな…と思い、その中でも特に年収が高いという理由でMRに転職

全国への出張も多く、病院の看護師・医師とのコミュニケーションはうまくいかないこともありますが、月によっては年収が前職を上回ることもあります。

転職してみて、教師の仕事はすぐにキャパオーバーしていたのに、深夜の丸付けを経験して強くなったのか、MRではあそこまでの辛さは感じていません。

出版会社への転職体験談(20代前半・男性)

中学校で国語を教えていましたが、クラスが学級崩壊し、精神的なダメージを理由に休職。その後、病状があまりよくならず、復帰することなく退職(退職したとたん、みるみるうちによくなったのですが…)。

元国語教師という肩書き、出身大学、若さ…といったことを会社に買ってもらえたようで、無事に転職できました。

出版業界は教師時代よりもさらに残業があったり、会社に寝泊まりすることもありますが、美しい文章、憧れの作家との対面など、教師時代では考えられなかった刺激的なことが毎日起こり、社会人として充実した日々を過ごしています。

外資系化粧品メーカーに転職(20代後半・女性)

高校で英語教師をしていたのですが、夫の転勤で教師を退職することに。英語は好きだったので、英会話講師なども考えましたが、外資系企業に転職しました。

まだ20代ということもあり、積極的に仕事を任され、いきなりの民間企業が外資系で、既成概念のあった日本のカイシャ像と何もかもが違いすぎて最初は疲れましたが、自分のアイディアが商品に活かされたり、雑誌の広告に自社製品が大きく掲載されているのを見ると、非常にやりがいを感じます。

年収は教師時代よりもややアップしました。昇給しにくいという外資系企業で今後も活躍するためにも、自己研鑚に励みたいと思います。