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科学的な根拠はよく分からないので恐縮ですが、経験上、現職(前職)が3年以上ある職務経歴書を見るとほっとします。

現職や前職が3年以上ある職歴は、経験者です、と自信を持って紹介できますし、紹介先の企業も「一応、3年は頑張っているねえ」と、前向きな反応とまではいかなくても、一応認めてはくれるのです。

現職や前職が3年以上あると、「職歴が短くありませんか?」との紹介先からのクレームもぐっと減ります。

日本人は「3」という数字にひどく納得感があるのです。

これが2年11ヶ月になると、中には細かく計算している人事の方がいて、「3年目で辞めたと書いてありますが、正確には2年11ヶ月ですよね?」との突っ込みが入るから、不思議なものです。

したがって、採用されてから3年勤め上げたことは、まずは胸を張って良いと思います。

工夫次第で、転職の打開策はいくらでもあります。

新卒入社から3年目の転職を成功させるには

新入社員の場合、初のキャリア転職のチャンスです。

社会に出て、その厳しさを経験したあなたには、新卒の時とはまた違った「社会の見方」が身に着いていると思います。価値観が変わった部分もあるでしょう。

そこで、次の一手は、を描いたうえで、じっくり考えることを是非お勧めします。

多様な経験を積んでいない分、つい現職(前職)で培った見方にはまりがちになりますが、まだキャリアに対する見方を固めるには若過ぎます。

ここでのキャリアプランは、今持っている自分のキャリアから離れてビジョン、そこへ到達するまでのキャリアストーリーを自由に描いてみるべきでしょう。

一番お勧めしたいのは、有料にはなりますが、CDAやGCDFなどの資格を持つキャリアカウンセラーの相談を受けることですが、最近では、転職エージェントの中にもこうしたキャリアアドバイザーを配置しているところもあります。

無料で相談を受けられますので、相談してみると良いでしょう。

今のキャリアを積み上げるか、他の職種にチャレンジするか

大きなポイントは、現職(前職)で経験したキャリアを積み上げるか、他の職種をチャレンジするかですが、それが長期的なビジョンからみてどのような位置づけになるか、明確にしてから選択するべきでしょう。

このままキャリアを活かす場合は、現職(前職)で積み上げるのではなく、なぜ転職を通じてステップアップしようとしているのかの理由が必要になりますから、しっかりとした理由と根拠づけを準備しましょう。

また、20代中盤~20代後半ならば、未経験OKの職種を探してみる手もあります。この場合に必要な転職理由は、①なぜキャリアチェンジをしようとしたのかの明確な理由と、②現職(前職)で応用可能なスキルはないか確認することです。

この確認は丁寧に行う必要があります。手順は、

(1)自分が仕事で積み上げてきた成果を細かいところまで棚卸しする。
(2)(1)の成果を出すために自分が発揮した行動を書き出す
(3)この行動を発揮するために自分が活用したリソース(性格、スキル、知識、経験等)を書き出す

といった具合に、(1)→(3)まで丁寧にブレイクダウンし、これらの行動スキルが未経験の転職先で活かせることはないか、探してみましょう。

現職から応用可能なスキルがある場合、面接官に未経験でも、すぐキャッチアップしてもらえることを理解してもらえます。

様々な転職チャンネルを使いこなす

実際の転職活動では、様々な転職チャンネルを活かすことができます。

転職サイト

転職活動で中心に利用するチャンネルになります。20代?30代では、求人数が多いですし、条件にこだわらなければ、未経験の職種へのチャンスが開かれている求人も多いです。

注意点は、転職サイトから応募した情報が事実上の書類選考になるため、登録情報は丁寧に作成することが大事です。

しかも、実際に登録してみるとわかりますが、きちんと丁寧に、綺麗に職務経歴書等を載せたりすると、登録情報を完成させるのに数時間はかかります。休日の日に、集中できる時間で、余裕を持って取り組んだ方が良いです。

また、転職サイトは多くの応募者を集中して選考する形式のため、面接や選考試験の日程が予め決まっている場合が多く、現職を続けながら転職活動をする方には、日程的に若干難しい面があります。

転職エージェント

どんな選択肢にせよ、一度は使っておくべき転職チャンネルです。

その理由は、第一に、現職(前職)のキャリアを活かして転職する場合に、一番お勧めできる転職チャンネルであり、年収等、条件面の良い求人が多いことが特徴的です。

第二に、面接調整等の選考管理を全て代行してくれますので、在職しながら転職を考えている方にはとても助かるという点。

第三に、履歴書や職務経歴書の添削、面接指導など、初めての転職の方に手厚いサポートが受けられる点です。

これらに加えて、転職エージェントの利用を一度はお勧めする最大のポイントは、ご自身ではなかなか測りにくい自分の市場価値を測ることが可能だという点。

将来のキャリアプランを考えるうえで非常に重要ですから、是非複数の転職エージェントの意見を聞いてみましょう。

応募書類は丁寧に準備しよう

応募書類は、一般のキャリア転職と同様、履歴書、職務経歴書が必要になります。一般のビジネス文書の作成と同じく、丁寧で分かりやすい内容になるよう、準備してください。

若手の転職者は、ビジネス文書作成のスキルは、この書類選考で重視されている、ということに注意しましょう。

面接では「経験」「成果」を謙虚に話そう

若手の転職者が面接で注意すべきポイントは、成果や経験を話す際、意識して謙虚に話す姿勢を持つことです。

3年はセーフだと申し上げましたが、世間では、それでもたかが3年なのです。成果や経験を強調したところで、あなた自身が空回りするだけで、相手には響きません。

もちろん自信を持っていることを捨てる必要はありませんが、相手は人生の先輩方です。他の応募者との競争で勝ちあがるため、「下手に出る賢さ」を身に付けましょう。

将来の年収イメージも視野に入れよう

内定が出た時点で、入社時の待遇面の条件が提示されるでしょうが、業界によって、待遇の差はまちまちです。

入社時点での条件が悪いように見えても、社内の福利厚生が充実している、将来の年収が大幅に上がるケースなども考えられます。

できれば、転職エージェントに相談するなどして、長い目で見て自分に有利な転職になっているかどうか、客観的に確認するようにしましょう。

また、前に述べたキャリアプランとマッチングした会社選びになっているか、確認も忘れずに。

中途入社→在職3年目で転職を成功させるには

3年という在職期間があれば、「転職に失敗した」「転職を繰り返している」という烙印を押されるリスクは低く、この3年で培ったキャリアの成果を活かしての転職チャレンジが可能です。

問題は、その内容の濃さです。

年齢が高い分、「大人」に見られていますから、相応の成果を挙げたことを強調できなければ、3年という短さが影響して、ネガティブな方向に評価されてしまうリスクもはらんでいます。

この3年の成果を細かくブレイクダウンして考えてみてください。

普段当たり前のように上げていた成果でも、転職活動の面接では当たり前ではありません。丁寧に成果を説明するつもりで準備しましょう。

会社選択:次は、3年より長く働くことを考えて

3年という期間は決して長くはありません。年齢次第では、次の転職に失敗が許されないリスクが高まるため、どれだけ思い切った会社選びができるかは、ケースバイケースになります。

基本的な考え方は、3年より長く働けそうな条件の会社を探すという事です。

待遇面だけではなく、会社の組織体制や周囲のサポートなど、長い期間、自分が成果を継続して出し続けられる条件の会社であるか、面接で必ず確認しましょう。

面接対策:キャリアストーリー一貫性が大事

面接段階での準備では、次の転職先(応募先)がキャリアストーリー上どのような位置づけとなるかが重要になります。

キャリアストーリーとは、自己紹介などに使える、今までの職歴の概要と考えていただければ結構です。

面接官に納得感を持ってもらうには、キャリアストーリーの一貫性が必要です。

したがって、原則として、キャリアストーリーの延長線上に新しいキャリアを築いている、という説明になります。

これに前に述べた「成果の濃さ」を付け加えた自己PRを構築することによって、面接官に短期間で成果を出してもらえる、安心して採用できる人材であることを印象づけるのです。

転職エージェントの活用を中心に

転職活動は、転職エージェントの利用を中心にすえるべきでしょう。

もちろん、一般の転職サイトを利用しても良いのですが、現職に留まりながら活動する場合、面接調整などの選考管理が大変な労力になり、書類作成や面接準備が疎かになるのは本末転倒です。

また、転職エージェントが出す求人は、一般の転職サイトより条件が良いので、せっかく成果を活かして転職するならば、好条件の企業を狙っていきたいところです。

転職エージェントとのコミュニケーションで重要なポイントは、キャリアストーリーと、転職理由に一貫性があるように、認識をすり合わせることです。

転職エージェントも転職書類を紹介先に出す際に、推薦状を添付するため、転職エージェントの推薦内容とあなたの転職理由等が一致していることが必要なのです。

まとめ

3年は、長くはないが短くもありません。

実際に上記のプランに沿って転職準備をしてみると、3年で上げた成果や経験、自分のキャリアプランなど、盛り込める内容が思ったより多いことに気付くはずです。

面接のプレッシャーに耐えられるだけの内容と根拠を十分準備できるのです。

ただ、それを上手く伝えられるような賢い工夫が必要になります。これをクリアできれば、職歴の良い転職者とも互角に競争できるでしょう。

ぜひ良い転職につながって欲しいと思います。