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転職エージェントに勤めた経験があり、この業界が好きだった私が、「転職エージェントを使わない方がいい人」に関する記事を書くことに、何だか複雑な気持ちがします。
しかし、実際には「転職エージェントのウチを頼るよりは・・・」という方はいらっしゃいました。
今回は、転職者と転職エージェント、お互いが不幸にならないためにも、転職エージェントを使わない方がいい人のタイプを紹介します。
「転職エージェントを使わない方がいい」とは
まず、そもそも論として、「転職エージェントを使わない方がいい」とは、どのような意味なのでしょうか。
転職エージェントは、求人企業から求人をもらい、これを転職者(登録者)に紹介して、転職者がその求人企業に入社した場合に、成功報酬としてお金を受け取る、というビジネスです。
つまり、「転職エージェントを使わない方がいい」というのは、
- 転職エージェントというビジネスが性格的に合わない
- 転職エージェントというビジネスに合わない転職方法
- 転職エージェントというビジネスが使えない
といった人たちには、おすすめができない、ということになります。どのような人がこれに当てはまるか、次のパートで具体的にみていくことにしましょう。
転職エージェントを使わない方がいい人の10タイプ
転職エージェントというビジネスに不信感がある人
まず、筆頭に挙げられるのは、上記に紹介した転職エージェントというビジネスに不信感がある人です。
人により価値観はそれぞれですので、ご自身の人生の転機となる転職にお金が絡むことが、そもそも価値観として受け付けない、という人がいらっしゃいます。
また、転職エージェントは、結局のところ、お金が入れさえすればいい、求人企業や自社(転職エージェント)にとって都合の良い事しか説明してくれないのではないか、といった不信感を持つ方もいらっしゃいます。
中には、強い偏見ともとれる価値観の方もいらっしゃいますが、こればかりは仕方がありません。そもそもこれらの価値観を持っている方が、無視してまで利用することはないのです。
スキル・経験が足りない人
転職エージェントは、高額の仲介手数料を取って、求人企業に転職者を紹介するビジネスですから、その手数料に見合う、紹介した人材(転職者)の「優秀さ」が必要になります。
つまり、「優秀さ」を証明できない、スキル・経験が足りない人は、転職エージェントも紹介できませんので、来るだけ無駄になってしまうのです。
典型的な例では若年層・20代前半の第2新卒クラスが、かつては、転職エージェントに合わないタイプの典型例でした。しかし、最近ではこうした年齢層の方にも転職エージェントのサービスがありますので、もっと若い方、10代や高卒・中卒の方などが典型例だと考えれば良いでしょう。
押しに弱い人
転職エージェントは、あなたが転職に成功しなければ1円も収入がありません。そのため、時には、あなたに最適な求人探しというよりは、あなたを売り込みやすい求人を紹介してくるケースもあります。
こんな時、押しの弱い転職者が言われるままにアドバイスに従ってしまうと、後で後悔することになりかねません。
転職エージェントのしつこい連絡、押しの強さに流されそうなタイプの方は、転職エージェントを利用しない方がいいでしょう。
人脈を活かして転職する人
役員クラスに多い例ですが、ご自身が今まで業界で築き上げてきた信用を元に、どなたかのご紹介で転職を果たすことで、今まで人脈や信用をそのまま転用できるケースがあります。
そうしたケースでは、転職エージェントを利用しない方が、かえってハッピーな転職になる場合が多いです。
ヘッドハンターを使って転職する人
役員、技術職といった職業の方で、特定の企業の特定のポジションを「ピンポイント」で狙っている方の場合には、ヘッドハンターを活用した方が有効なケースがあります。
転職エージェントはその点、ある程度転職先の選択肢にある程度の「幅」がある方(例:経理という職種ならば業界は問わない、など)向けのサービスで、ピンポイントの求人紹介となると、ヘッドハンターの方が一日の長があります。
一般的な転職求人サイトで十分見つかる人
例えば、土木関係など、いわゆる「ガテン」系の転職者の場合、サービスしている転職エージェントがほとんどいません。むしろ、一般的な求人サイトの方が、求人が多い職業です。
また、料理・飲食関係も同様に、求人サイトの方が求人数は多い職業です。
転職エージェントは、一般的に高い技能を求めるホワイトカラーの求人に強い業界です。それ以外の業界ではノウハウの蓄積が少なく、あまり会社がしんしゅつしていないのです。
ベンチャー企業狙いの人
前に述べたように、求人企業からみれば、転職エージェントを利用するには、高い紹介手数料がかかります。そのため、こうした採用予算が出せない、創業期のベンチャー企業は、転職エージェントにそもそも求人を依頼してきません。
したがって、ベンチャー企業に参加して創業メンバーとして携わりたいと狙っているチャレンジ精神旺盛な方は、転職エージェントを利用するより、ご自身で直接アタックした方が、良い結果が得られるケースが多いと思います。
公共機関・特殊な職業の人
このほか、転職エージェントをそもそも利用できないといった組織も存在します。例えば、市役所などの公共機関や、○○協会といった公的機関。法律で定められている選考試験をパスしなければ入れない組織です。
また、港湾運送や建設業はそもそも法律上転職エージェントがサービスすることを禁止されているため、転職エージェントは利用できず、ご自身で探すほかありません。
転職エージェントは使えるなら使った方がいい
さて、前のパートで、転職エージェントを使わない方がいい人ばかりを列挙してきましたが、転職エージェントの元キャリアアドバイザーの私としては、転職エージェントはできるだけ使った方が良いと思います。
前のパートの各項目に当てはまらなかった人はもちろんですが、多少当てはまる部分がある方でも、使えそうならば転職エージェントを使った方が良いです。
というのも、転職エージェントが紹介する求人は、ブラック求人より優良な求人が多いですし、待遇も良いです。こうした求人の大半はいわゆる非公開求人であって、一般の転職者が自力で探すことが難しいです。
そこで、転職者が自分の転職先の選択肢を広げるという点では、お金が絡む「あやしい」と感じるかもしれませんが、ビジネスと割り切って、利用できるものは利用する、という意識で、転職エージェントをお使いになると良いと思います。
まとめ
転職エージェントって、ビジネスだけじゃなく、広告も「あやしい」ところがあるんですよね。例えば、ほぼ全ての転職エージェントが「無料であなたの味方」とうたっているところ。無料なのに?て思いますよね。
もちろん、転職エージェントはボランティアではありません。れっきとしたビジネスです。一方のあなたも、ビジネスなのですから、損するなら使わない、得するなら使う、と割り切って考える。
こういった対等な考え方が、一番良いと思うのです。