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転職エージェントを通じて、転職を果たしてから、聞いていた話と全然違っていた、入社する前とイメージが全然違っていた、といったご経験はありますか?
転職エージェントもビジネスですから、求人企業の深い部分に入り込めなかった場合、転職者に十分な情報提供が出来ないまま、内定の承諾を勧めてしまうことがあります。
かくいう私も、転職に「成功させた」ケースばかりではありません。後から、「失敗した」「話が違っていた」というクレームを受けたことはあります。
しかも、こうしたクレームはたいていの場合、転職先企業からも来ます。「採用に失敗した」「推薦したような人物じゃなかった」というクレームです。(一応、面接で人物は見きわめてもらっているはずなのですが・・・)
転職エージェントの中では、最も手痛い失敗であるのが、「入社後に早期に退職されること」なのです。数十万円単位の返金も痛手ではありますが、転職者からも転職先企業からもクレームを受け、双方からの信頼を失ってしまうことが、一番の痛手です。
一方、転職者としても、せっかく転職エージェントを通じて転職に成功したはずなのに・・・という思いはありますよね?こうした場合、退職に踏み切ることで、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
今回は、まず転職にまつわる紹介手数料の仕組みからお話しして、転職者の疑問に答えていくことにしましょう。
転職エージェントが受け取る手数料の仕組み
転職エージェントは、転職者が内定した企業に入社した際、転職者に提示された年収額を想定年収として、その25%~40%(各企業との人材紹介契約によって異なります)を紹介手数料として受け取ります。
しかし、転職者が早々に退職した場合、高い紹介手数料を払って採用した企業からしたら「取られ損」、せっかく手数をかけて紹介に成功させた「転職エージェント」からしても、転職者との信頼関係が壊れたことで、求人企業に対する「不信感」が出てきます。
そこで、転職者の早期退職に対するリスクシェアリングとして、紹介手数料の一部を返金するという条項が、人材紹介契約に盛り込まれている例が多いです。
一般的には、
・3ヶ月以内に退職した場合・・・手数料の80%~100%
・3ヶ月~6ヶ月以内に退職した場合・・・手数料の50%~100%
といった条項を定める例が多いようです。万が一、転職者が早期に退職してしまった場合、これらの条項に従って、転職エージェントから転職先企業に対し、いったん受け取った紹介手数料を返金しているのです。
紹介手数料の返金に関するQ&A
それでは、こうした紹介手数料の返金に絡んで、転職者にどんなデメリットが考えられるのでしょうか?Q&A形式で答えていくことにしましょう。
転職者に紹介手数料の分担を求められることはあるか?
一切、求められることはありません。手数料の心配はしなくて大丈夫です。法律上は「有料職業紹介事業」という言葉になっていますが、転職者には無料でサービスしなければならないことになっています。金銭的な心配はしなくても大丈夫でしょう。
早期退職したことでブラックリストに載ることはないか?
紹介を受けた転職エージェントには、いわゆる「ブラックリスト」に載ることはあるでしょうが、他社にブラックリストが出回ることは絶対にありません。法律上も禁止されていますし、転職エージェントにとっても、他社に紹介を失敗したケースを公開しても、何の得にもなりませんから。
ただし、あなたが他社に転職エージェントに登録に行った際、前職を早期退職した時の経緯は必ず聞かれると思います。その際に、キャリアアドバイザーは、転職エージェントを通じて転職したことから、前のパートで述べたような「返金トラブル」があった、ということを察すると思います。
結局のところ、早期退職は不利になるのか?
結論からいうと、転職エージェントを通じて転職し、早期退職したことが、特別な不利になることはありません。もちろん、早期退職自体は、転職後の何らかのトラブルを予感させることですから、その点の不利は否めませんが、その不利自体は、転職エージェントが絡んでいる、いないに関係はありません。
早期退職をしたい場合、どこに相談すれば良いか?
では、転職エージェントを通じた転職後、早期退職をしたい場合には、どこに相談すれば良いでしょうか?
意外に思われるでしょうが、その転職先を紹介した転職エージェントに相談するのが最も有効です。
他の転職エージェントに相談してももちろん良いのでしょうが、その時のリアルな経緯を共有してもらうことが難しく、場合によっては、転職エージェントから「本当は本人の責任で転職に失敗したのでは?」というあらぬ不信感を持たれるケースも考えられます。
転職先を紹介した転職エージェントならば、リアルな事情を共有してもらえますし、それを踏まえて求人先企業と交渉してもらえます。転職エージェントは一度失いかけた信頼(そして損した紹介手数料)を取り戻すべく、今度は必死になりますので、転職エージェントにもメリットがあるのです。
むろん、その転職エージェントが人間的に信頼がおけない、という場合は、他社を当たった方が得策ですが、転職エージェント自体は信頼が置ける場合は、その転職エージェントにまずは当たってみるべきでしょう。
まとめ
転職エージェントを通じて転職したことに失敗したら、正直、痛手ではありますが、決してやり直せないわけではありません。
短期間で、苦労した転職活動をもう一度やり直すのは、精神的には大変でしょうが、転職エージェントはたくさんありますので、チャンスはいくらでもあります。
危機を克服するべく、頑張っていただきたいと思います。