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高卒でフリーターとして働いている皆さん、どこか就職をあきらめてしまっているところはありませんか?

中央大学の古賀正義教授がまとめた「高卒フリーターの自己イメージの変容-非進学高校卒業生に対する4年間の継続調査の結果から-」によると、実際にフリーターをしていてもフリーターであることを否定的にとらえる人は多く見られています。

どうしても、フリーターというポジションでい続けることによる将来的な不安を消し去ることができないのです。

とはいっても、自分から決心して正社員を志しての行動を起こさない限り状況は決して変わりません。

先入観にとらわれて就職活動へのモチベーションが上がらないという方も、この記事を読んで一歩を踏み出してみましょう!

高卒フリーターの就職は難しい?

一般的には正規雇用の職歴がない人よりもある人、学歴がない人よりもある人が就職活動を有利に進めることができると考えられているでしょう。

その観点から見ると、高卒フリーターはハンディキャップとなり得る要素を二重に持っていることになってしまいます。

就活を成功させるためには、まず自分の「弱点」について知ってから別の要素でそれを補うことが重要。

どうして高卒フリーターの就職が難しいと考えられているのか、まずはそこから探ってみましょう。

高卒者の採用を重視していない企業の事情

そもそも、現在の日本において企業の採用活動は総じて大卒の新卒者をメインターゲットにしたものとなっています。

その方針をとっている背景としてよく挙げられる理由は、高卒採用には未成年者である高校生のことを考えて「第三者」である学校やハローワークがかかわっていること。

そのために面接の日程や回数、質問の内容までさまざまな制限があってスムーズな採用活動を行いにくいのです。

高卒フリーターのハンディキャップ

高卒者としての弱点

就職するならば年齢は若い方が良いとよく言われますが、高卒フリーターでも特に高校を卒業してから間もないうちですと社会経験はきわめて乏しい状況です。

仕事そのものの経験にしても社会人として世の中へ出た経験にしても、ある程度の経験値がなければ中途採用者として就職するにあたっての不安材料になってしまいます。

また、企業側では学歴から業務に関する理解力や適応力などのレベルを推測しているところがあります。

高卒の学歴であるとそのあたりがなかなか高く評価されず、就職活動を不利にする要素となってしまうのです。

フリーターとしての弱点

中小企業庁から発刊されている「2006年版中小企業白書」によると、フリーターについてプラスの評価をしている企業は少数にとどまっています。

その理由としては、企業がフリーターに対して抱いている次のようなマイナスイメージが指摘されています。

  • 責任感の欠如
  • 勤務態度の悪さ
  • 知識や経験の不足(同年齢で社会人として経験を積んでいる層との比較)

ところが、実際にフリーターを採用した企業では懸念していた責任感や勤務態度について満足する傾向が強いのです。

つまり、先行するイメージがあるために高卒フリーターであるというだけで敬遠される対象になってしまっているということができるでしょう。

まずは就職を決断することから

企業がフリーターに対して持っているイメージは、高卒フリーターとして過ごしている皆さんが「きっとこう思われているだろう」と考えている内容と一致しているのではないでしょうか?

マイナスの印象を持たれているという先入観から、就職活動すること自体を躊躇している人は少なくありません。

それでも、フリーターを雇用している企業が満足を感じているデータは実際にあるわけです。不安や恐怖があるとしても、まず「就職しよう」と決断することがその後の人生を大きく変えることになります。

次のような思いが芽生えたならば、いよいよ正社員に向かって就職活動をスタートさせる時です!

安定的に働きたい

高校を卒業してからずっとアルバイトをしていて、職場の都合で勤務日や勤務時間帯を変更されることが多いという話はよく聞かれます。

勤務に関する希望は仕事を始めるにあたって確認されるのですが、いざ働いてみると状況によって希望と異なるシフトで勤務することを要求されるのです。

正社員として働いていても時に残業や休日出勤が発生する可能性はありますが、一般企業であればカレンダー通りの平日勤務となる場合がほとんど。

頻繁にスケジュールが変わることは嫌だ、安定的に働きたいという気持ちが強くなった時には就職を考えてみましょう。

収入の土台をしっかりさせたい

アルバイトという勤務形態であると、日給や時給といったかたちで働いた時間分だけの給料を受け取ることが通常です。

用事があっても病気になっても、仕事を休んでしまえばその間の収入はゼロになってしまいます。

高卒フリーター、それも特に未成年となるとその信用面からお金を借りることなどは難しいもの。いざという時にお金を工面することが厳しい以上、職業を通じて収入を安定させたいと考えることは自然です。

大部分の企業で正社員の給与形態には基本給があり、万が一の時には有給休暇を取得することができます。

就職を考える動機が収入のことであるとしても、おかしいということはまったくありません。

周囲に対しての劣等感

高卒でフリーターをしていて兄弟や姉妹、学生時代の友人など身近で親しい間柄にある人たちが正社員になっている例は珍しくありません。

その話を聞くと大変ながらも充実している様子がうかがわれ、「それに対して自分は…」と自らを省みることもあるでしょう。

そこで、思考がどのような方向へ向かうかが今後の人生を占う上での分岐点になるかもしれません。

  • 正社員になると大変だけど、自分はフリーターだから気楽だ
  • みんながんばっていて自分は何をしているのか、このままではいけない

後者のような思いが生まれているのであれば、就職活動をスタートさせる良いタイミングです。

高卒フリーターの就職活動で大切なこと

高卒でずっとフリーターをしてきた場合、就職活動に取り組んだ経験はまったくありません。高卒者を対象にしている求人は大卒者向けのものと比べて数が少ない中、ノウハウなく就活をしていると不安やあせりに襲われるでしょう。

ですが、高卒フリーターから立派に就職を果たした「先輩」はこれまでにたくさんいました。ポイントをおさえて採用選考へ臨むことによって、将来への道は必ず切り拓くことができます!

やる気と熱意を前面に

とかく、「高卒フリーター」という立場に対する自信のなさからネガティブな思考を持っている人は少なからずいます。

ですが、企業の採用担当者からすれば意欲にあふれている人材は学歴や職歴こそ乏しくても魅力的に映るもの。

暑苦しいほどにやる気を熱意があることを前面に押し出してアピールすることで、チャンスは十分にあります。

若さを売りにしてスピーディに

高卒フリーターは就活をする上で「武器」がないと考えがちですが、実はそんなことはありません。

若いうちは、同じことを学ぶにしても年齢が上の人と比較して吸収力に優れているため覚えが早くなります。

また、正社員として働いた経験がないことはすなわち他社の「色」に染まっていないまっさらな状態ということ。ですから、企業としては自社のスタイルに見合った人材として育てやすいところがあるのです。

フリーターの期間は短いほど良し

若さで勝負しようとするならば、人生経験が少ないからといって心配する必要はありません。その若さこそが買われるわけですから、高卒フリーターでいる期間が短いほど評価につながるわけです。

アルバイト先には就職活動する旨の話をしっかりして、出勤予定の調整などスケジュールを確保するための準備をしておきましょう。

大卒者に負けない経験とスキルのアピール

高校卒業後からずっとアルバイトをしていれば、大卒者が就職するタイミングでは4年の社会経験があることになります。

高卒フリーターとはいっても、真剣に仕事をしてきた以上は相応の経験とスキルが身についているはず。大卒者と比べて仮に学力が劣っているとしても、決して仕事の実務能力で負けているということはありません。

いろいろなアルバイトの経験を重ねてきた自負があるならば、大卒者と同じ若さでより多くの経験値があるとアピールしましょう。

注目したい職種

手当たり次第に求人へ応募していても、自分の「方針」が定まっていなければなかなか結果にはつながりません。

将来的に進みたい道があり、そのためのキャリアの足がかりとしてまず高卒フリーターが歓迎されている仕事で経験を積むといった選択肢もあります。

高卒者を積極的に採用している職種があるなど、高卒フリーターが就職活動を行う上では注目したい人材市場の動きがあります。

従来から就職している高卒者が多い職種は、やはり高卒フリーターにとっても就職先として狙い目。アルバイトで職種に就いた経験があるとなれば、なおのこと選考において有利になる可能性があります。

職種 採用に関する傾向
営業職 個人顧客向けの営業職を中心に、最終学歴が高卒の人材を含めて活発な採用活動を進めている企業は少なくありません。社用車を使っての外回りが多いため、自動車の運転免許を持っているだけで応募することができる企業の数はかなり多くなります。
事務職 事務職についてはアルバイトスタッフを使っている企業が多いため、フリーターとしての経験をアピールしやすい職種となっています。ただし企業によって任せられる仕事の幅にはかなりの開きがあるため、経験とのマッチングも考えて募集要項は慎重に確認しておきたいところです。
販売職 小売店からアパレルショップまで、さまざまな販売の場では学歴を問わず現場向きの人材を探しています。元より販売職はアルバイトスタッフの比率が高いため、高卒フリーターにとっては経験を大いにアピールすることのできる職種です。
プログラマー IT教育の低年齢化が進んでいる昨今、ITの分野では人材不足が問題になっているプログラマーなどの職種で若い人材を積極的に登用しています。学歴はまったく問われず、実務経験がないとしても趣味などの範ちゅうでコンピュータに親しんでいれば採用されるチャンスはあります。

高卒フリーターの就職体験談

どうしても就職活動に対して自信を持つことができない高卒フリーターの方へ、現在正社員として活躍している「元・高卒フリーター」が語る体験談をご覧ください。

かつて同じような状況にあり、勇気を出して未来への一歩を踏み出した先輩の声を就職活動の励みにしましょう!

Eさん(20歳男性)

どういう経緯でフリーターになったんですか?
子どもの頃からあまり将来の夢というものを持ったことがなく、高校には親から薦められるままに進学していました。

高校時代にもやっぱり将来的な希望が生まれることはなく、そのまま卒業してフリーター生活へと突入しました。

就職体験談を教えてください。
アルバイトをしていても職への興味が続かず、すぐに別の職場へ移る繰り返しで仕事を転々としていました。

ただ、20歳になって成人式へ参加するという時になってはじめてスーツを着た時にこの格好で働きたいという思いが。

とは言っても職歴がない上でアルバイトの勤続期間も短いので、就活をしようとしても門前払いされる予感しかしませんでした。

そこで就職エージェントを利用したところ、担当者の方がアルバイト歴をチェックしてくれて比較的長く続いた警備員の仕事に注目。

体力と根気がなければ続かない仕事だと評価してくれて、それが自分の武器だと教えてもらったんです。

最終的には物流センターの正社員を紹介してもらい、きついながらも充実した仕事をしています。

Kさん(18歳女性)

どういう経緯でフリーターになったんですか?
高校2年生のときまでアメリカで暮らしていて、帰国子女として日本に戻ってきたんですがなんとなく生活のペースは合わない毎日。

みんな受験勉強をしていたんですが、なんとなく進学する気持ちにならずそのまま高校を卒業しました。

就職体験談を教えてください。
何もしていないのはいけないと思い「せめて」とアルバイトはしていたのですが、特別にやりたいことはない毎日。

卒業して半年ほどが過ぎたころ、同窓会があって久しぶりにクラスメートと会ってみるとびっくり。大学へ進んだ人、高卒で就職した人もみんな生き生きと最近あったことを話していたんです。

刺激を受けて就職活動してみようと思い、とりあえずのつもりで就職エージェントに登録しました。

「高卒でフリーターなんて本当に就職先があるのかな?」と疑問ばかりだったんですが、なんと紹介されたのは小さな商社の貿易事務。

自分では、アメリカ生活の中で自然に身についていた英語を活かすということに気づいていなかったのです。

採用されても不安ばかりだったんですが、英語力が頼りにされて少しずつ頼られることをやりがいに感じるようになってきています。

Aさん(21歳男性)

どういう経緯でフリーターになったんですか?
高校生のうちから夏休みなどに親戚の運送会社の仕事を手伝っていて、ちょっとしたおこづかいをもらっていました。

それから別の会社でアルバイトを始め、身体を使う仕事は自分に合うと思って高校卒業後もそのままフリーターとして仕事を続けていました。

就職体験談を教えてください。
アルバイト先では口約束だったものの、そのうち正社員にしてくれるという話をしてもらっていました。

自分でも、将来のために普通免許だけでなく大型の免許を取得するなどして準備していました。会社では良くしてもらっていたのですが、1年して2年しても正社員の話が具体的になりません。

そこで、思い切ってバイト先は辞めることにして本格的にはじめての就職活動をすることに。就活の経験がなかったので何をすれば良いか右も左もわからず、就職エージェントを頼ることにしました。

担当者さんの話を聞くと、どうしても正社員として働いた経験がないことで就活は難しくなってしまうとのこと。

そこで経歴が弱かったのだとわかり、改めて高卒でもフリーターでも歓迎してくれる運送会社の紹介を受けることができました。

アルバイトとはいえ業界で働いて3年の経験はあったので、スムーズに職場へなじむことができています。

Rさん(19歳女性)

どういう経緯でフリーターになったんですか?
高校時代は成績が良くなくて自分に自信もなく、卒業してからは実家の食堂を手伝おうと思っていました。

ところが卒業間際に父が体調を崩し、お店をたたむことになってしまったので近所のレストランでアルバイトすることになりました。

就職体験談を教えてください。
父の具合が悪かったこともあって、家のことを手伝いながらのアルバイト生活をしていました。母の体調も万全ではなかったのですが、バイト先には迷惑をかけまいとなんとか両立させていました。

そんな感じで1年が経つころには、職場では最年少だったのですがバイトスタッフのチーフを任せてもらうことができるようになりました。

学歴も経験もなくバイトを始めた自分を仕事ぶりで評価してくれた職場には、感謝以外ありません。その気持ちへ報いるためにも、休みには家のことをしながら一生懸命仕事へ打ち込みました。

すると半年後、なんと正社員として働いてほしいというお話をいただくことができたのです。何の取り柄もない私が就職へと至り、根気良く真面目にがんばっている姿を見てくれる人は必ずいるんだなと実感することしきりです。

まとめ

高卒フリーターの就職に関しては、世間的にどうしても否定的な見方をされがちな傾向があります。

そのため、実際にフリーターをしている個人レベルでも「どうせ就活してもうまくいかないだろう」という気持ちから就職活動を躊躇しがち。

ですが、元・高卒フリーターで就職を果たしている人はたくさんいるわけですからイメージにとらわれてはいけません。

高卒という若さや職歴がないことを買われて採用されるケースもある以上、マイナス思考はやめて積極的に就職へ向かっていきましょう!