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こちらの記事にお越しいただいた方の多くは、さまざまな事情がきっかけとなってフリーターとしてアルバイト生活を送っているでしょう。

中には、「学生のうちに就職が決まらなかったのでもうしばらくバイト生活のままで良いかな?」といった軽い気持ちがスタートだった方もいるかもしれません。

ただ、日々の暮らしに追われてなんとなく働いていると時間はどんどん過ぎていくばかりです。このままで良いのかと不安に思いながらも特別に何もすることなく、気づけばいつの間にか良い歳に…。

そろそろちゃんとして就職しないとと思っても時すでに遅し、手遅れということになってしまいかねません…。

高齢になってフリーターをしている人からはアルバイトがいつまであるかわからない、やりたいことが思うようにできない人生に絶望するしかないなどの声が聞かれます。

こちらの記事ではフリーターであり続けている何人かの方の暮らしをご紹介しますので、そこから何か感じるものがあれば幸いです。

高齢化が進むフリーター…「仕事と生活」について聞いてみた

社会の高齢化が進んできた昨今、フリーターとして過ごしている人の高齢化もまたテレビ番組などで取り上げられるようになりました。

長くフリーターを続けている各年代の人たちがどのような日々を送っているのか、ちょっと見てみましょう。

Kさん(30代女性)

どうしてフリーターを続けているんですか?
短大を卒業して一度就職したのですが、病気をして退職せざるを得なくなってしまいました。それからはアルバイトやパートを転々としていて、時々就職活動をしてもまったくうまくいきません。

正社員をあきらめたわけではないのですが、年齢とともにどんどん就活の手ごたえがなくなってきてしまいました…。

収入はどうなっていますか?
今は近所のスーパーでレジ打ちのパートをしていて、月のお給料は8万円ぐらいですが実家にいるので生活は何とかなっています。

ただ、父の定年が近づいてきているのでこれからどうするかを真剣に考えないといけなくなってきました。

衣食住の状況について簡単に教えてください。
住むところは今のところ大丈夫ですが、このままでは両親に今後もしものことがあったら実家を手放さなければならなくなりそうです。

食事は食費として申し訳程度で毎月2万円を家に入れていて、これも将来的にはどうなるか…?

着るものはほとんどオシャレをすることがないので、職場の洋服売り場で処分セールをしているときに買い込んでいます。

趣味はありますか?
正直お金がかかることは何もできないので、家のパソコンで動画やインターネット放送を観てばかりいます。

ネットは家で契約しているので、幸いにして懐は痛まず私にとって唯一の癒しになっています。

将来のことはどう考えていますか?
就職したい気持ちは残っているのですが、金銭的に就職活動へ集中する余裕はなくこのままフリーターとしての生活が続いていくのではないかと思っています。

むしろ、婚活に力を入れてなんとか結婚相手を見つけて結婚して家庭へ入る方向がフリーターを抜け出す近道なのかもしれません。

Sさん(40代男性)

どうしてフリーターを続けているんですか?
30歳になるまでと俳優を目指していて、養成所へ通いつつ交通整理などのアルバイトをして食べていました。

いざ30歳になってみるとあきらめきれず、結局35歳になるまで同じような生活を続けることに…。一度も就職したことのない自分がそれから右も左もわからないままに就活をしてみても、成果をあげることはできずそのままズルズルと40代に突入しています。

収入はどうなっていますか?
今は前からの警備会社一本で交通整理のアルバイトをしていますが、天気や季節で仕事の量はかなり違います。

1年の収入を月で平均すると11万円ぐらいで、冬になると全然仕事がなくなって3日ぐらいしか出なかったことも。

衣食住の状況について簡単に教えてください。
前から住んでいる1DK、家賃3万円のアパートは老朽化が進んでいて取り壊しにならないかどうか心配なレベル。ですが、今のご身分でとても引っ越しを考えることはできないので不安はありながら考えることを先延ばしにしています…。

仕事終わりはヘトヘトですが、少しでも食費を節約するために帰りにスーパーで見切り品の食材を買って自炊しています。

着るものは仕事に着て行く服と家で着ている服がそれぞれ二着だけで、全然買い替えていません。

趣味はありますか?
昔はバイクでのツーリングによく行っていましたが、最近は遠出をする余裕がまったくありません。

仕事がない時は家にいると気分が滅入ってしまうので、せめて散歩に出かけて良い風景を写真に撮っています。

将来のことはどう考えていますか?
高望みはしていないので、質素ながらも今の生活を変わらず続けていくことができれば文句はありません。

ただ、最近は少しずつ足腰がきつくなってきているので別のバイトを考えないといけないのかなとも思っています。

Tさん(50代男性)

どうしてフリーターを続けているんですか?
学生時代にバイトをしていた引越し屋さんに一度就職したのですが、社員としての仕事は自分には厳しすぎて30代前半で退職しました。

それからはアルバイトの作業員としてあちこちの引越し屋さんを転々としていて、身体が動く限りは続けるつもりです。

収入はどうなっていますか?
日給は5,000円ぐらいで、平均すると1ヶ月の出番が15回ぐらいですから月収にして75,000円前後です。

引越しシーズン以外は社員さんで業務が回るためあまり仕事がなく、繁忙期は繁忙期であまり仕事を入れすぎると身体が持たないのでこのくらいが限界です。

衣食住の状況について簡単に教えてください。
住まいはかなりの古アパートで1DKの部屋を借りていてトイレが共同、風呂なしなので近所の銭湯へ通っています。

昔から料理はしないので、ずっとコンビニ弁当とスーパーの惣菜にお世話になっていて1食あたり300円ぐらいの予算です。

時々お客さんの不用品として引き取ったものからサイズの合う服をもらってきていて、着るものは買っていません。

趣味はありますか?
身体がつらいために休日はほとんど家の中で過ごしていて、元々読書が好きなのでこれも不用品としていただいた古本を読んでいます。

本当は話題になっている新刊にも興味はあるのですが、とてもお金を出すことができないので本屋は何年も眺めにしか行っていません…。

将来のことはどう考えていますか?
ずっと正社員時代の貯金を切り崩しながら生活していて、老後を考えると国民年金に加入している期間の方が長いのであまりもらえないだろうと思います。

多少の不調では病院にも行かないようにしていますし、今後は先細りになっていくだろうと覚悟しています。

フリーター生活でも考えておくべきこと

ずっとフリーターを続けている方のお話をご紹介した中で、共通するポイントがあるとおわかりいただけるのではないでしょうか?

たとえば…

  • 就職活動や転職活動がうまくいかなかった
  • アルバイトの仕事が大変で自分の時間を楽しむ余裕がない
  • 金銭的に不安定で将来的なライフプランを描きにくい

いずれもマイナスの共通点になってしまいますが、これはフリーターでい続ける期間が長くなればなるほど避けられないことです。

先々の人生を展望するにあたっては、正社員として働く道をどうにかして模索したいところ。アルバイトは一時的なものであり、フリーターでいる間は就職ないし転職を成功させるための準備期間として考えましょう!

そのためには、仕事と並行して企業の求人募集へ応募するにあたってのアピールポイントとなるものを身につけなければなりません。

手に職をつける

深くたずさわっていきたい分野があれば、アルバイトすることによってその世界を肌で感じることができます。

経験や専門性が求められる仕事の場合、アルバイトで身につけた基礎が正社員としての採用へつながるかもしれません。

建設のアルバイト

建設関係のアルバイトというと、土木作業員として単純作業を中心にした仕事をするケースが多くなっています。

たとえ雑用をこなすばかりであるとしても、足場を組む作業からスタートして建物が完成するまでを見届けることによって建設工事の全体像を把握することができます。

現場での時間を過ごす中で仕事の楽しさが実感され、資格を取ってもっと高度な仕事をしてみたいというモチベーションになるなど得るものは多いでしょう。

飲食のアルバイト

食は人間にとって生きるために欠かすことのできないものですから、職業としての需要は常にあります。アルバイトの仕事は見つけやすい分野ですが、本格的にその道へ進んでいこうとするならば将来につなげる意識が必要。

店舗の経営を考えるのであれば同じ形態のお店で業務の全体を把握する、料理人を目指すのであれば厨房の仕事で「修行」して経験値を積むことなどがプラスになります。

ITのアルバイト

今や、どのような業界で仕事をするとしてもパソコンを使っての作業がまったくないということはほとんどありません。

たとえデータ入力のアルバイトであっても、一定期間にわたって続けていればPCスキルは向上します。経験がなくても専門的な業務のサポートにかかわる仕事はありますから、先に今後の方向性を定めておくことが重要です。

勉強をしておく

正社員として働いていると、例えば資格を取るとして思うように勉強時間を確保することができない可能性があります。

その点、基本的に残業することなく定時で仕事が終わり自分の時間をコントロールしやすいフリーターはある程度勉強に打ち込むことが可能。

「勉強」と一口に言っても、学生のように机上で問題集に取り組むようなものばかりとは限りません。英会話スクールへ通ってビジネスに役立つ英語表現を学ぶこと、各業界に関する専門書を読むことでも職業人としての資質を高めることはできます。

見聞を広げる

フリーターでいるうちは、自分で希望すればさまざまな世界で数多くの仕事を経験することができます。いろいろな場所に身を置くことで物の見え方がそれぞれ違いますし、幅広い業界知識を得ることができます。

また、時間的な余裕を持ちやすいフリーターであれば旅行なり短期留学なりで遠方へ赴くことが可能です。

正社員の身になるとそこまで長期の休暇を取得することが難しいところですが、フリーターはひとつのアルバイトが終わってから次の仕事を始めるまでのタイミングが自由。

海外へ出かければ、日本国内とまた違った物の考え方や価値観を知ることのできるチャンスが得られます。

ワーキングホリデー制度の活用

日本と協定を結んでいる諸外国では、休暇期間を過ごしつつ仕事で滞在資金を捻出するワーキングホリデー制度を利用することができます。

フリーターとしては語学力を磨きつつ貴重な就労機会が得られ、海外での暮らしを体験する中で今後の目標が見つかるというケースも。

2016年12月現在での協定国は…

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • カナダ
  • 韓国
  • フランス
  • ドイツ
  • イギリス
  • アイルランド
  • デンマーク
  • 台湾
  • 香港
  • ノルウェー
  • ポーランド
  • ポルトガル
  • スロバキア
  • オーストリア

国によって18歳から25歳、あるいは18歳から30歳までという年齢制限がありますので注意しなければなりません。

正社員として就職する準備をする

いずれ就職活動をする時期が来ると考えれば、「その時」になってあわてなくて済むように必要なものをそろえておいて損はありません。

ざっと、こんなものが必要です!

  • リクルートスーツ
  • ワイシャツ
  • インナー
  • ネクタイ(男性)
  • リクルートシューズ
  • ハンカチ
  • 就活メイク用コスメ(女性)
  • かばん
  • 手帳

新卒者ではないわけですから、ある程度はしっかりしたものを身につけていなければなりません。そのあたりも採用選考では評価のポイントとなり、外見の印象でマイナスにつながってしまう危険があります。

まとめて一通りの物を買おうとすると10万円を超える程度の金額になることが考えられますから、フリーター生活の中で少しずつそろえていきましょう。

脱・フリーター!正社員を目指すリミットは?

いつまでもアルバイト暮らしをしていても、正社員へ向かう道は狭き門となっていくばかりです。

厳しい道であることは間違いありませんが、どこかで決心してフリーターから抜け出そうとしなければなりません!

アルバイト経験は職歴にならない?

近年は働き方が多様なものになり、相当数の人数がいるフリーターをひとつの生き方として受け入れる考え方はあります。

ただ、企業における採用活動という観点では長期間にわたる非正規雇用での働き方を正社員として採用する上でそぐわないとする考え方が主流。

アルバイトとして働いた経歴については、履歴書で職歴として記載することに対する賛否両論があります。ただ、原則として正社員になろうとして求人募集へ応募する場合には良しとされていません。

例外的に許容され、人物評価のプラスとなる可能性があるケースとしては以下のような場合が考えられます。

  • 正社員として就職していた経歴があった上でアルバイトの仕事に就いていて、同じ職場において年単位でキャリアを積んでいる
  • 求人元の企業から求められているスキルがアルバイトの仕事から得られた
フリーターの就職に必須の「履歴書、職務経歴書、自己PR」の書き方。正社員採用に大事な考え方とは
就職活動といえば書類選考から始まって筆記試験や面接試験へ進んでいくわけですが、フリーターからの就活はアルバイト探しとまったく違います。 バイトであれば応募して面接の当...

いつまでに就職すれば良いの?

何歳になっても就職することのできる可能性がゼロということはないのですが、きわめてゼロに近いと言わざるを得ません。

フリーターとしての経験をプラスにして正社員となるならば、やはり20代のうちが勝負でしょう。それも、体力や仕事をする上での吸収力などを考え併せると20代後半よりも20代前半がベターです。

後で後悔がないようにするためには、何歳になった自分がどうなっているというライフプランをしっかり立てて行動しなければなりません。

フリーターから正社員への就職成功術

新卒者やキャリアのブランクがない転職者と比較して、どうしてもフリーターの就活は不利になってしまいます。

その逆風を跳ね返して就職を果たすためには、せっかくのアルバイト経験が何かしらのかたちで活きるようにしましょう。

アルバイト経験がある仕事に注目する

アルバイトとして働いた経験がある業務内容で、正社員としてスタッフを募集している求人があればチャンスです。アルバイトとはいっても経験者であることに違いありませんから、大きなアピールポイントになります。

発想を転換して、正社員登用の可能性があるアルバイト先を選択することもひとつの手です。アルバイトと正社員に任せられる仕事はまったく異なりますが、職場の仕事を知っているだけで適応のしやすさは段違いになります。

知っている業界に注目する

フリーターの強みは、多種多様な仕事を経験する中でいろいろな業界に明るくなっていくことです。その中で、これから本格的にその世界へかかわってみたいという思いを抱くかもしれません。

こういった経緯は、求人に応募するときにしっかりした説得力を持つ志望動機となり得ます。仕事に対する熱意をアピールする上でも、精神論だけで終始しない内容にすることができるのです。

質の良いサポートを受ける

すぐに就職する予定ではなくても、フリーターという状況下から自治体や民間による就職サポートを受けることは可能です。

例えば就職エージェントでは、すぐに就職先の紹介を受けないとしても現時点からしておくべきことについてアドバイスを受けることができます。

自己分析や応募書類の準備などを進めておけば、後々の就活がスムーズにスタートするのです。

まとめ

正社員であっても一生安泰であるとは言い切ることができなくなった現在、フリーターのままで明るい未来を展望することができる可能性は無に等しいと考えた方が良いでしょう。

人生の時間は刻一刻と過ぎていきますから、アルバイトをしながらも正社員を目指して行動しなければなりません。

アルバイトの仕事はなんとなくこなすのではなく、自分を向上させるための時間として有意義に使うことが大切です。

それとともに、ビジネスマンに必要な資質を身につけるための努力を重ねることが将来を切り拓いていきます!