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フリーターという立場から就職活動へ挑むとなった場合のウイークポイントは、正社員として働いていない期間があること。
実際にかつて厚生労働省が実施した調査では、採用にあたりフリーターをマイナスとして評価するとした企業がおよそ30%、プラスとして評価する企業はわずかに3%ほどでした。
これは残念ながらフリーターに対するイメージや先入観もあるのかもしれませんが、責任感に欠け根気もない、年齢に見合った知識や経験が欠けているといった見られ方をしているのです。(参考:職歴なしの20代が就職する方法。職歴がないと正社員では就職できないのか?)
つまり就活ではマイナスイメージを補うだけのアピールをしなければならず、最大の武器になるものはアルバイト経験で培われた知識やスキルでしょう。
そして、正社員としてバイト経験が役立つおすすめの職種、反対にフリーターからの転身が難しい職種もそれぞれあります。
もちろん絶対に挑戦してみたいという熱意がイチバン大切ですが、まずとにかく就職したいという希望があるならば御一読ください!
フリーターから正社員への転身におすすめの職種
まずは、フリーターから転身しやすい職種を紹介したいと思います。
営業職
個人から企業までさまざまなお客さんに職場の商品やサービスを売り込む営業職は、人対人の仕事。
厳密にいえば業界研究や商品の勉強も必要とされるのですが、それは実際に就職してからでも大丈夫です。
また営業マンに必要な資質といえば、専門的なスキルというよりもいわゆるヒューマンスキル。
- 円滑なコミュニケーションを取る力
- 相手の立場で考える力
- 元気が良く明るい人柄
- 旺盛な好奇心
- 約束や時間を必ず守る強い意思
こういったものは正社員としての経験うんぬんにかかわらず備わるものですから、求人でもフリーターを含め未経験者に広く門戸が開かれているのです。
役に立つアルバイト経験
営業職となれば常に人との対話で仕事を進めていくわけですから、アルバイトとしての働き口が多い接客系の仕事で一定の経験があれば十分に活かすことができます。
- 飲食店のホール担当
- カラオケボックスのスタッフ
- アパレルショップの販売員
何をアピールすべき?
経歴としてアルバイトの経験を伝える上では、単純にどこでどれだけの期間を働いていたというだけではインパクトとして弱いところがあります。
そこで学んだもの、それもたとえばコミュニケーションスキルなど営業職の実務で活きるものが身についたとしてアピールすることができればプラスの評価につながるでしょう。
併せて単に営業の仕事をしたいというだけでなく、応募先の会社だからこそ働きたいと訴えることも大切。
あらかじめ応募先のことを勉強して、独自のサービスやオリジナルの商品について話題に出しながらのPRをすることも効果的です。
一般事務職
数ある事務職の中でも一般事務は「一般」と言われるように、特定の分野へ突出した能力が求められるわけではありません。
書類の作成や整理など同僚の仕事をしやすくするためのサポートや電話への対応、オフィスにお客さんが来たときの応対など会社の印象を左右する重要な役割も担います。
一般事務員に求められるものは、端的に社会人としてどこで働くにも基本となるスキルです。
- パソコンの基本的な操作スキル
- 敬語やビジネス文書の知識
- ビジネスマナー
- 正確性の高い処理力
- コミュニケーションスキル
フリーターでもアルバイトのほか各種の専門講座、独学で学ぶことによってもある程度対応することができるようになります。
そのため実務経験の有無を問わず、人物を見ての評価で採用するという求人元が目立っているのです。
役に立つアルバイト経験
事務職はどのような業界の企業にも必ず置かれている職種であり、アルバイトの経験でいうと志望先と同じ業界の会社で働いた経験が活きるところもあります。
- サービス業
- IT関係
- 小売業
何をアピールすべき?
アルバイトとしての事務経験があれば、できるだけ詳細に担当した仕事を説明したいところです。
またルーティンワークとしての側面があることから、フリーターであっても勤続期間が長いほどスキルは向上しているということができます。
そのほか事務の仕事をしたことがないとしても、事務仕事に役立つ資格を持っていることはアピールの材料になります。
多くの企業で用いられているワードやエクセルなどのパソコンソフトを使いこなすことのできる証明になるMOS、一般常識やビジネスマナーを心得ていると認められる秘書技能検定などは取得しておいて損になりません。
技術職
専門的な技術をフルに発揮して働く技術者は、近年ですとインターネットの浸透やスマホの普及なども相まってITの分野で多く必要とされています。
人材に対するニーズの拡大が先行しているために人手は不足していて、未経験者も含めて活発な採用をしている企業が多くなっている状況。
フリーターの中にはプライベートの時間でパソコンに親しむ人が多いことも注目されていて、事実高いスキルを持って活躍しているエンジニアやプログラマーにもかつてアルバイトしかしていなかったという人が少なくありません。
- パソコンに対する興味関心
- 長い時間にわたるデスクワークが苦にならない集中力
- 同じ作業を続ける持久力
- 効率的な情報収集力
- あらたな技術や知識を自分のものにしようとする向上心
必ずしも正社員としての経験がなくてもアルバイトの仕事、あるいは個人の趣味嗜好といった範囲で資質が培われるのです。
役に立つアルバイト経験
技術職というと寡黙に孤独な仕事へ打ち込むといったイメージもありますが、実際に企業で働くとなれば同僚との共同作業を行うことになりコミュニケーションをとりながら協調性ももって実務に取り組む必要があります。
- インターネットカフェでの接客
- コールセンターでのオペレーター
- 引っ越しの作業員
何をアピールすべき?
とにかく技術力が欲されている職種ですから、具体的に担当することになる仕事のことはあらかじめ把握しておきたいところ。
その上でギャップが生じないよう、求められそうなスキルや知識で自分の持っているものを凝縮してアピールすることができれば理想的です。
もちろんあらたな知識が必要であれば、積極的に学んでいこうとする意欲もポイントになります。
そしてフリーターとしての経験からコミュニケーションに問題がないことも、忘れず自己PRの項目に盛り込みましょう。
販売職
商品やサービスを紹介して売る販売員の仕事についてはアルバイトのスタッフを元から多く使っている企業も多いため、フリーターから転身するにも働きやすくなっています。
職場にふさわしい接客技術は、就職してから伸ばしていけば良いという方針の会社も目立ちます。
- お客さんが望んでいるものを聞き出す会話力がある
- 接客が望まれているかどうかを判断する洞察力がある
- おもてなしの心がある
- プライベートや仕事上で抱いた負の感情を出さない平常心や忍耐力がある
- 時間や相手によってムラのないコミュニケーションを取ることができる
このような素質は家族や友達などさまざまな人とのかかわりから養われていくものでもあるため、求人への応募条件として経験を問わないことも多いのです。
役に立つアルバイト経験
相手の目線で考えることが大切な販売職の仕事をする上では、あらゆるアルバイトの経験が活きるといっても過言ではありません。
- ファストフード店
- 結婚式場や斎場
- 携帯電話ショップ
何をアピールすべき?
面接の場でアルバイトの話をするならば、具体的に相手のことを意識して働いていたエピソードを販売職へも結びつくかたちで取り上げたいものです。
販売の仕事をしていた場合には、職場の規模や売り上げなどについて数字を使ってのアピールがわかりやすくなります。
そのほか業務へ取り組む姿勢として、受け身ではなく積極的な考えを持っていることもポイント。
自分で工夫していることや自分に課している目標など、主体性に働いてきたことを示すと評価につながります。
若年層(フリーターや第二新卒)の就職支援に特化したエージェントでも、これらの職種への転職成功実績が多くなっています。
保存版!フリーターの就職ノウハウ【20代・30代のフリーターが正社員になるには】でも解説していますが、アルバイトで得た経験というのは大切なアピールポイントです。
就職活動に臨む前に、自分の「経験」を洗い出す作業をしておきましょう。
フリーターからの転身が難しい職種
クリエイティブ職
各分野で活躍するデザイナーなどのクリエイティブ職は、そこまで多くの求人募集が出されていない職種。
選考においてはまず業界ですでに職歴として仕事をしている経験が重視されていて、フリーターはそのスタートラインで出遅れていることになるのです。
また仕事の性質から残業や休日出勤をしなければならないときもあるなど就業環境は過酷である場合も少なくなく、相当の覚悟で就職活動へ臨まなければなりません。
それでも挑戦したいなら?
クリエイティブの仕事をする上では「無」から「有」を生み出すことが必要であり、勉強や経験とは異なる尺度の持って生まれたものもなければなりません。
- 発想力
- センス
- 求められているものに応える技術
- 企画力
- コミュニケーション力
また経験なくしての就業が難しい以上、アルバイトにしても関連する業界で勤務した経験は最低条件になるでしょう。
- ファッションデザイナー志望であれば衣料品メーカーやアパレル企業など
- ゲームクリエイター志望であればゲームメーカーやゲームセンターなど
- 番組制作者志望であればテレビ局や番組制作会社など
何をアピールすべき?
完全な未経験で求人に応募しても採用されることはかなり難しく、回り道のようであっても専門学校へ通って学ぶことなどが最低限のアピール材料となります。
熱意を前面に出すことはもちろんですが、これは経験のある志望者も同じですから差別化のポイントにはなりにくいところ。
そのほかやはり求人元ではクリエイターとしての力を知りたがっていますから、実際に手がけた制作物などを提示することは効果的です。
ただそれが応募先の「色」にそぐわないものですと、採否を検討する上ではマイナスに作用してしまう懸念もあります。
専門事務職
事務職であっても法務事務や貿易事務、経理事務などはそれぞれ専門的に特化した知識を持っていなければ務まらない仕事。
各企業では即戦力を求めるならば経験者、そうでなければ新卒者を採用して育成するケースが大部分です。
フリーターを採用する選択肢として含めている企業は、少数派であると言わざるを得ません。
それでも挑戦したいなら?
専門事務職にもルーティン的な仕事は多々あり、そういった意味では人の替えが利く仕事であるからこそ一人の事務員として強みになる専門性を持たなければなりません。
- 会計ソフトの基本操作にとどまらず各種のトラブルに対応し得るレベルのITスキル
- 士業の資格を取得し得るレベルの法律知識
- 海外の関係者と不自由のないビジネス会話が可能なレベルの語学力
- 職場の業務全体を改善させ得る発想力
- 自ら仕事の範囲を広げようとする積極性
突出したスキルを身につけるためには、アルバイトについても相応の勤務先を経験しておきたいところです。
- 経理事務志望であれば会計事務所や税理士事務所など
- 法務事務志望であれば法律事務所や社会保険労務士事務所など
- 貿易事務志望であれば商社や港運会社など
何をアピールすべき?
専門事務職は会社を裏から支えるスタッフとして重責を担うポジションにあり、キャリアで劣るフリーターの立場ですとこれまでのアルバイトでどれだけ職場に貢献してきたかをアピールすることが重要。
営業のようにわかりやすい数字で実績を示すことが難しいため、仕事を良くするために取り組んできたことは具体的なプロセスなども交えて伝えるようにします。
また仕事の正確性や丁寧さが求められますから、その仕事ぶりがうかがわれる話も欲しいところです。
そのほかスキルを証明する資格の存在も選考のポイントになり、すでに持っているものだけでなく勉強している資格があればその詳細も説明すると良いでしょう。
企画職
市場調査や商品企画などといった企画系の職種で活躍するためには、広い視野と多様なスキルが求められます。
特に文系の大学生から人気が高い職種であり、企業の側でも若く基礎の勉強をしていて将来性がある人材を積極的に採用することが主流。
就職市場でも競争は激しく、フリーターとしてアルバイトをしている経験だけではなかなか通用しないのです。
それでも挑戦したいなら?
企画職にもクリエイター的な側面があり、生まれながらのセンスが問われる部分はどうしてもあります。
- 既成概念にとらわれない発想力
- 調査結果や市場分析をわかりやすくまとめる書類作成力
- アイデアを相手に共有させるプレゼンテーション力
- 仕事の質を高める提案力
- 自社にとって企画が実現可能であるかどうかを判断する検証力
アルバイト経験が役立つとすると、マーケティング関連のプロセスにかかわる仕事はポイントになり得ます。
- 街頭アンケートのスタッフ
- サンプリングスタッフ
- イベントの運営スタッフ
何をアピールすべき?
もしも採用選考の場で担当者も納得させるだけの斬新なアイデアがあるとすれば、フリーターでもチャンスはあるでしょう。
ただ実際にはそういったことはほとんどなく、面接では面接官から社で扱っている商品を自分相手に売ってみてほしいといったデモンストレーションなどがアピールの場となります。
また企画を立てる対象はすべての世代であり、得てして自分の世代以外ですと反応をイメージしにくいところ。
そのあたりはアルバイト経験の中で広い年代の人と交流して考えを知る機会があったなど、見聞が広まった体験を伝えることがプラスの人物評価になるでしょう。
ここで紹介した職種は、一般的にフリーターから転職するのが難しいと言われていますが、努力を惜しまず、上手に転職活動が出来れば可能性はゼロではありません。
少なくとも業界経験者に比べて不利になることは間違いないので、若年層に特化した転職エージェントは必ず利用しておきたいところです。
フリーターの仕事の選び方
フリーター歴が長いことはどうしても就職活動を不利にしてしまうため、本当にやりたいことへ向かうために回り道をやむなしとする考え方もアリです。
つまり最初から難しい職種で正社員になろうと努力し続けるよりも、いったん就職しやすい職種に就いて職歴という実績を積んでいくわけです。
特に就職するチャンスが比較的多い営業職と一般事務職はそれぞれ「外向き」、「内向き」の職種で別の仕事に就く上でも活きる基本的な知識や技術を身につけることのできる仕事。
将来的な転職の可能性も含めて考えるならば、就職先の第一候補として検討することをおすすめします!