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保育士として働いている・転職を考えている以上、どうしても気になってしまうのが給料についてです。

自分では自分の給料が低いと思っていても、他の保育士がどれだけ稼いでいるのか気になる人も多いでしょう。また、保育士としてどこまで給料を上げることができるのかも気になるのではないでしょうか。

また、安いとわかっていても、どうして保育士の給料・自分の給料が安いのか気になりますね。そこで、保育士の平均年収やその移り変わり、手取り額・どうして保育士の給料が安いのかなどについて説明します。

保育士の平均年収

厚生労働省の抽出調査による平均年収の移り変わりについて見てみましょう。平成26年度は317万円が平均と、とても低い平均年収になっています。

平成20年から見てみると、323万円・328万円・325万円・324万円・315万円・310万円・317万円となっているのです。ここ数年間で、徐々に下がっていっていますね。

もっとさかのぼってみると、平成13年には354万円だったものが、平成26年では317万円にまで下がってしまっているのです。ここ14年の最高平均額を見てみても、358万円と、他の職種に比べれば低い金額になっています

保育士の手取りはどれくらいか

保育士の手取り額については、平成26年賃金構造基本統計調査における「決まって支給する現金給与額」というところからデータを取って説明します。それによれば、手取りは216万1千円が平均だそうです。これは男女合計のもので、男だけなら239万4千円、女だけなら214万4千円となっています。

手取りを考えると、とても安いですね。

月収分布について見てみよう

同じく、賃金構造基本統計調査から、保育士の月収分布について見てみましょう。最も多かったのは、18万円から19.9万円で4500人程度です。

その次に、16万円から17.9万円、20万円から21.9万円という人が多くなっています。ただ、22万円以上からは劇的に下がっているのです。同じように、14万円から15.9万円という人も劇的に下がっているのですが、それでも数千人単位でいます。

25.9万円という人までなら、千人単位でいるので、高いところだと26万円程度は可能ということになるでしょうか。逆に、低いところは14万円程度となっています。この低い給料は、初任給などが関係しているのでしょうね。

ただ、ほとんどの人が16万円から22万円までの間で働いているということです。しかもそれは手取り額ではなく、そこからさらに各種保険・税金などが引かれてしまい、手取りになるころには平均で15万円程度となっています。

保育士の給料はどうして安いのか

まず、「公定価格」について知っておこう

保育士の給料が安い理由について語るには、公定価格について説明しなければなりません。保育士に給料を払おうとすれば、保育園にしっかりと収入がなければならないということは、わかるかと思います。

2012年と少々古いデータから拝借しますが、厚生労働省の地域児童福祉事業等調査によれば、児童1人あたり、平均月額保育料が2万491円となっているのです。

それが保育園の収入になります。ただ、市町村など各種自治体が保育園に補助金を出しており、それも収入の一環となっているのです。保育園の収入は、補助金と保育料を足した公定価格=決まりきった金額になっています。

保育園の収入額はある程度決まっていて、そこから人件費や各種経費に割り振られるのです。

補助金・運営費が人件費に回っていない

補助金や保育料といった運営費用が、しっかりと人件費に回っていれば、給料は安くなりません。それらの費用から人件費に割かれる割合は、38%程度だと言われています。これは、株式会社立の認可保育園における保育所運営費の用途の問題点についての記者発表という、共産党の資料のデータです。

20.2パーセントは給食調理や講師派遣・研修・食材納入などを子会社に発注しているのでですが、そういった発注費用に使われています。さらに19.7%は他の保育園に資金移動しているのです。そういったことに割り振っている費用の割合が高くなっているため、経費が圧迫され、人件費に回らなくなっていると考えられます。

保育士の給料が安いのは、決まりきった収入額を人件費にうまく割り振ることができていないからです。収入が決まりきっているからこそ、予算を見直す機会も少なくなり、余計に人件費問題が見えにくくなっていることも理由として考えられるでしょうね。