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上肢・下肢・体幹機能に障がいを持っている児童のことを、肢体不自由児と言います。そういった子供を受け入れている専門施設である肢体不自由施設では、保育士をはじめとした有資格者が働いているのです。そこで行われていることは保育ではなく、療養です。

しかし、医学についての知識を持っている人だけであれば、日常生活の生活支援・指導などがおろそかになってしまうため、保育士の有資格者が求められています。肢体不自由児施設で働く保育士は、どのような仕事をしているのでしょうか。

肢体不自由児施設とは

肢体不自由児施設というのは、とても長い歴史があります。今となっては当たり前に使われている「リハビリテーション」という言葉を日本において定着させたのが、この施設の存在です。歴史があり、現在でも変わらず求められています。

ここでは0歳から18歳までの子供に対する長期治療などの療養・機能訓練に教育・生活指導までを行うのです。そうして、自立した生活を送っていくことができるようにします。

ほとんどの場合は18歳で退所となりますが、場合によっては20歳以上にまで延長されるということもあるようです。

肢体不自由児施設で働く保育士の仕事内容

ここでの保育士の役割というのは、日常生活支援や指導にあります。

療養に関しては医学やリハビリテーションのスペシャリストが行うため、保育士に求められるのは日常的な生活指導や支援です。保育士が保育園で行うような「見守る」という仕事はもちろんのこと、社会生活に適応するための指導も行います。

保育士が指導することは、社会の中でしっかりとした生活を送っていくことができるようにするための指導全般です。社会生活への適応力に関することはもちろんのこと、日常生活の補助や支援も行います。

肢体不自由児施設の保育士求人傾向と給料・待遇

求人数はとても少ない

ほとんど各都道府県に設置されていますが、その求人の数は少ないです。肢体不自由児施設の数というのは、昭和52年が最も多く、それ以降徐々に現象している傾向にあります。現在では全国に60施設程度しかないのではないかと言われているほどです。

そのため、保育園や託児所などと比べると、施設数がとても少なく、保育士の採用枠も多くはありません。そのため、求人はめったに出回らないのです。

経営面で窮地に立たされえいるところも少なくはないため、就業をしたとして安定性があるわけでなく、廃業によって失業する可能性もあります。将来性も危ぶまれているのです。

給料は決して高くはない

施設数が少なくて求人が少なく、就職したとしてもその施設が存続することができるとは限らない。それでも給料が高ければ魅力的に見えるかもしれませんが、給料自体はそれほど高いというわけではありません。

初任給は大体18万円程度です。保育園に比べれば少し高いかもしれませんが、もう少し高いほうが満足できるのではないでしょうか。

やりがいを求めて転職するなら良いのですが、それ以外の理由で転職するのであればあまり向いていません。

肢体不自由児施設では保育士以外にも様々な資格者が働いている

肢体不自由児施設で働いている人の中で、保育士というのはほんの一部です。他にもさまざまな資格を持った人が働いています。

まずは理学療法士です。運動発達をメインに指導し、子供が持っている潜在能力などを引き出すという役割を持っています。

また、作業療法士も、生活をしていく上で必要不可欠になる技能を習得するための援助・指導を行うという役割があり、必要とされています。

肢体不自由児ということですが、中には言語の発達が遅れている子供もおり、そういった子供のコミュニケーション能力育成を行うために言語療法士も働いているようです。

障がいを持った子供に合う食事の提供をするために、栄養士も必要とされています。また、整形外科や小児科・リハビリテーション科の医師なども必要とされ、働いているのです。

保育士の仕事はほんの一部に過ぎないため、求人数も少なくなっているということですね。