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2016年4月から、保育士の働く条件が緩和されました。緩和を受けて、今後保育士の就職・転職事情がどうなっていくのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで、保育士の現状と、今後どうなっていくのかを予測してみましょう。

保育士の現状

2015年12月の法改正によって、無資格でも働けるように

2015年12月4日に、保育士が働く基準を緩和する方針が定められましたね。緩和の内容としては、保育士資格が無い場合でも保育士に近い立場で働くことができるようにするということです。

ただ、無条件で働くことができるわけではありません。これにはいくつかの条件があります。

まず、子育て研修など保育士として働くのに必要な知識などを身につけるための研修を行い、それを修了することが第一の条件。

次に、朝夕と時間帯を限定したり、保育士が研修で不在の場合のみといった限定的な時間・期間で働くという条件があります。ただし、小学校や幼稚園の教員免許を持っている場合には、限定されません。

まとめれば、保育士資格を持っていなくても、条件を満たせば保育施設で働けるということです。

保育士は低賃金で働いている人が多い

保育士の現状として、低賃金というものがあります。保育士の平均年収は317万円程度で、年々下がってきているのです。「保育士の仕事は好きだけど、給料が低い」とブログや給料情報サイトなどで嘆く人もよくいます。

子供の世話をするという大変な仕事であるにもかかわらず、低賃金です。保育士は人材不足と言われています。通常、人材不足を補うために待遇改善などを行うのですが、保育士ではそれがありませんでした。法改正も、保育士の人材不足を補うために定められた物です。

保育士は今後どうなっていくのか

無資格者が実際に働き始めるとどうなるか

法改正で、実際に無資格者が働き始めると、どうなるでしょうか。時間帯が限定されているといっても、無資格者が自分の職場に入ってきます。入職のハードルが下がるとなれば、人材不足は今よりは多少なりとも改善されるでしょう。改善されなければ、法改正した意味がなく、余計に非難されるかもしれませんね。

教員免許を持っていれば時間帯を限定されることなく働くことができますから、教員免許持ちも入ってきます。幼稚園教諭や小学校教員の資格を持っている人にとっては、良い勉強になるかもしれませんし、主婦のパートタイム的な扱いとして仕事をすることもできて、良いことでしょう。

多くの保育士が危惧しているのは「保育士の待遇が余計に悪くならないか」ということですね。

安心・信頼のために有資格者の待遇が良くなる

保育士の待遇についてですが、現在はハッキリ述べて「悪い」です。奨学金を返さなければならないのに給料が低いために、保育士の資格をとっても、保育士として働くのを諦める人も大勢います。保育士になりたいから資格を取ったのに、待遇によって諦めなければならないという、よくわからない状況です。

それに加え、無資格者が働くとなれば、人材不足が補われて、保育士の需要が低下し、待遇が悪化するのではないかと危惧されています。これについては、杞憂かもしれません。というのも、親の目線に立ったときに、無資格者に保育を任せたいかどうかということが問題になるのです。

有資格者と無資格者がいれば、当然有資格者に保育を任せたい。資格を取っているというだけで、安心感も信頼も段違いです。そういった保護者の声が、今後どんどん寄せられてくることでしょう。そうなれば、無資格者が働けるようになって、逆に有資格者の需要が増加します。

給料を前より高く設定したりと、待遇を良くする保育施設が増えることでしょう。現在も、じわりじわりとそういったところが増えつつあります。今後はさらに増えると考えられるため、今よりももっと良い職場に転職できるかもしれません。

まとめ

現在は保育士の人員が不足しており、有効求人倍率も低いです。保育施設の増員を目指して掲げられた、2016年春からの条件緩和によって、有資格者の需要は増加することでしょう。賃金改善が考えられ、低賃金から抜け出すべく転職を考える人も増えるかもしれませんね。