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近年、自閉症やADHDなどが広く認知されるところとなり、その理解も進んでいます。自閉症というのは、脳の機能障がいに原因があるもので、反応の欠如・言語発達障害・反復行動などが見られる障害のことです。

そういった自閉症の症状を持った子供を対象としているのが、自閉症児施設となります。

自閉症という言葉は一般的になってきましたが、自閉症児施設はまだ一般に広く認知されていません。そこで、自閉症児施設で保育士がどのような仕事をしているのか、求人状況はどうなっているのかなどについて見てみましょう。

自閉症児施設の保育士の仕事内容・役割

自閉症児施設での仕事は、一般の保育園と同じように子供の世話と見守りですが、それだけではありません。

自閉症と診断された18歳未満の子供を預かり、保護し、自閉症に対するケアや独立生活に必要不可欠な知識が技能を習得するための施設です。

そのための訓練などを行わなければなりません。医療ケアを保育士がすることはありませんが、生活の知識や技能に関しては保育士が指導します。

そうして子供たちが自立して生活できるようにし、しっかりと地域生活を営むことができるように、働く場所を開拓することもあるとのことです。仕事内容はとても幅広いですね。

家族への支援・地域社会に対する啓蒙活動なども行います。

加配保育士と補助保育士

自閉症児施設には、加配保育士と補助保育士という二種類の保育士がいます。

●加配保育士

加配というのは、配慮を加えると書きますが、加配保育士の役割とはまさにそれです。

発達障がいの子供などに配慮を加えて、その生活の支えとなることが加配保育士の役割となっています。

自閉症の子供やADHDの子供に対して、加配が行われるのです。そのためか、自閉症児施設ではADHDの子供も一緒に扱っていることがあります。

●補助保育士

補助保育士というのは、加配保育士という担任の保育士の補助のようなものです。副担任というイメージだとわかりやすいでしょうか。

仕事内容といえば、たとえば担任が子供たちに給食を配っている最中に、次の昼寝の準備をしたりして、担任である加配保育士の仕事がスムーズに行われるようにサポートすることです。

自閉症児施設の保育士求人状況

自閉症児施設は、全国に7箇所程度で数年間変わらないとのことで、求人もなかなか出回りません。職員の総数は500人程度で、採用者は年間で30人から40人程度となっています。40人とっていれば多いほうだと言えるでしょう。

自閉症児施設には保育士以外にも様々な職種の人が働いています。医療型と呼ばれる施設には、医師や看護師などの医療関係の職種の人が働いています。

福祉型と呼ばれる施設でも、医師はおらずとも看護師の配置義務があるのです。医師や看護師だけでなく、栄養士や調理員などの人が働いています。

そのため、保育士の求人は全体の一部に過ぎず、かなり少なくなっています。

自閉症児施設で働く保育士の勤務形態と給料相場

自閉症児施設は24時間体制で子供のケアをする施設ですから、勤務形態は4~5交代のシフト制となっています。

4交代制でも5交代制でも、一週間の勤務時間は40時間以内を基準とし、週休2日または4週6休というのが一般的です。交代制のシフトがガッチリと組まれているため、残業もほとんどありません。

求人が少なく就業するまでも大変ですが、働き始めてからも大変です。特殊な施設ではあるのですが、保育士の給料は決して高くはありません。一般的な保育園の給料と同程度か、それよりほんの少し高いといった程度です。

仕事内容の大変さや生活リズムのことを考えると、割りに合わないと感じることもあるでしょう。本当に自閉症児へのケアや、地域社会の自閉症児への認知度・理解度を高めたいという強い想いがある人でなければ続かない・向かないかもしれませんね。