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高知県は子育て世代の人口が多い地域で、家庭ひとつあたり二人から三人の子どもを育てているところが多いです。共働き世帯も増加しており、子供同士で面倒を見合えない家庭の場合は保育施設に預けています。
そういった背景があり、保育士の求人が増えています。転職を考えている人にとっては仕事探しがしやすく、良い状況にあると言えるのではないでしょうか。
高知県の保育士の現状
高知県の保育士の給料は、全国平均とほとんど変わりません。平成26年の厚生労働省の統計データによれば、全国の保育士平均年収は316.7万円、月収で21.6万円、年間賞与で57.3万円、労働時間は168時間、勤続年数は7.6年となっています。
一方高知県の保育士の平均は、年収が315.2万円、月収が21.6万円、年間賞与が55.8万円、労働時間が170時間、勤続年数が10.3年となっているのです。月収は全く変わらず、年間賞与が低いため年収が1万円近く低くなっています。勤続年数が長いのは周辺地域と比べて待遇が良いからでしょう。
保育士の待遇が良い地域は求人が少ない傾向があります。高知県は求人が増加傾向にありますが、増加しているのは主に契約社員やパートの求人。正職員の募集は少ないです。
正職員の求人傾向
どの地域・施設形態の募集が多いのか
正職員での募集は、高知市内がほとんどです。南国市や土佐市にも求人が出回りますが、そう多くはありません。正職員の求人は一般的な認可保育園というよりも、認定こども園の求人が多いです。児童指導員として発達支援を行う職種の募集も行われています。全体的に株式会社が運営する施設が正職員募集を行うことが多いです。
労働条件の傾向について
給料は17万円前後に設定されていることが多く、勤続するうちに上がっていきます。児童指導員としての募集の場合は、20万円から25万円ということも珍しくはありません。必要な資格に保育士が入っていますが、障害者支援実務経験が5年以上必要という場合がほとんどなので、給料が高い分ハードルも高くなっています。
株式会社が運営している施設が多いので、各種保険制度については全く問題がありませんが、住宅手当や通勤手当といった各種手当は支払われないというところが多いです。残業も避けられません。
休日は土日両方休むというよりも、日曜日と他1日(施設ごとに異なる曜日)ということが多いです。週休2日制が基本ですが、完全週休2日制だというところは少ない傾向があります。基本的には多く働いて多くお金を貰うというのが、高知県の保育施設の傾向です。長期休暇もあまり望めません。
非正規雇用の求人傾向
契約社員
近年高知県で求人が増加しているのが、契約社員です。正職員やパートよりも多く見られます。契約社員の給料相場は正職員と変わらず月給17万円前後。正職員と異なるのは昇給が望めないという点です。契約社員は数年間働くような雇用形態ではないので、最初に設定された給料がすべてといった傾向があります。
期間を限定した契約であるためか、臨時保育士や育児休業の穴埋めのためなどといった急場をしのぐ意味合いで募集をかけているところも多いです。株式会社が運営する施設の場合は残業時間が短いところがあり、残業がないというところもありますが、社会福祉法人が運営しているところだと早出や居残りは当たり前のようにあります。
求人は高知市・南国市・土佐市・その他郊外(町)に多数あります。正職員とほとんど変わらない給料を得ながら、1年から2年程度働きたいという方にはおすすめです。
パート
高知県でのパート保育士の時給相場は、900円です。下は700円から上は1,000円まで求人があります。1,100円以上の時給を設定した求人はほとんど見られません。高知県では900円から1,000円の間で出来るだけ時給の高い求人を探すと良いでしょう。
パートの求人は、さまざまな形態の施設で出されています。一般的な認可保育園、認定こども園、市役所でも臨時保育士としてパートの募集があるのです。高知県に存在する保育施設や保育士資格を有する人材を欲しているところであれば、そのほとんどがパート求人を出していると言っても過言ではないでしょう。
短時間勤務ができるというところは少ないですが、高知駅前などにはたまに短時間勤務可能の求人が出回ることがあるので、短時間勤務を希望する方は探してみてはいかがでしょうか。
派遣社員・業務委託
高知県の派遣社員の時給相場は1,100円から1,200円です。求人の数自体が少なく、1,100円を下回る時給を設定する求人がほとんどないので、やや高めの水準となっています。派遣先施設は認定こども園または乳児クラスが多いです。保育士資格を持っている人で、こども写真スタジオに派遣されるということもあります。
高知県ではパート・契約社員・派遣社員だけでなく、業務委託として保育士資格を持っている人材を募集することもあります。業務委託のほとんどは、幼児教室です。時給か月額かは教室ごとに異なりますが、時給のところだと2,000円というところがあります。
ブランクがある場合、どのように転職すればいいのか
ブランクがある人は、どうやって転職活動をするのが正解なのか迷うことでしょう。いきなり正職員というのはハードルが高いように思えてなかなか一歩踏み出せず、かといってパートだとあまり稼げないからとまた二の足を踏む……。このような人は大勢います。
高知県では契約社員がおすすめです。先ほど述べたように、契約社員は正職員とほとんど変わらない月給で働くことができます。残業が短いところや無いところが多いので、無理せず働くことが可能です。3年経過すると正職員として雇ってくれるところもありますし、3年経って契約が終わった際にはもうブランクから抜け出しているので、また転職をすることも考えられます。
高知県には「ブランクあり歓迎・OK」という求人が非常に少ないです。正職員にいきなり就職をすることは不可能に近いと言っても過言ではありません。契約社員やパートでも、求人票にわざわざブランクありOKと記載するところは少ないですが、正職員よりも契約社員のほうが可能性は高いと考えられるので、チャレンジしてみると良いでしょう。
まとめ
高知県は求人が増えてきていて、転職がしやすくなりましたが、正職員への転職はまだまだハードルが高いです。給料は良いですが、それ以外の条件が整っているところは少なく、給料を重視した求人選びしかできないという状況でもあります。その点を留意して、転職活動をすれば、転職活動の成功につながるのではないでしょうか。