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児童養護施設は、児童養護法にて保育士を配置することが義務付けられています。つまり、児童養護施設も保育士の職場というわけです。
児童養護施設というと、どのようなことをイメージするでしょうか。行き場をなくした子供たちの逃げ場所・・・孤児院のようなイメージを持っている人が多いでしょう。
児童養護施設は日本においてとても大きな役割を果たすものです。そこで働く保育士もまた、大きな役割を持っています。
児童養護施設に入所する児童
一般的な保育園であれば、乳児から幼児が入所していますが、児童養護施設は乳児以外で18歳未満の子供が入所しています。児童養護施設にいる子供たちは、家庭がなかったり、親族からの虐待などで家庭生活をすることができないと判断された子供たちです。
職員と子供が生活を共にする・・・職員は親のようなものですね。また、子供たちの中には、生まれるときに親が死亡した、生まれてしばらくして死別したなどの理由で親のいない子もいます。
親がいない子供、親はいるけど虐待を受けた子供それぞれが喧嘩しないようにも気をつけなければなりません。
児童養護施設で働く保育士の役割
児童養護施設における保育士の仕事というのは、子供と遊ぶ・遊びを提供する、生活の指導をする・保育をすることです。そういった字面だけを見ていると、一般的な保育士とあまり変わりませんね。
違うのは、24時間体制で子供と一緒に生活をするという点です。24時間体制と言っても、多くの場合は2交代勤務で12時間勤務になります。
保育所では6歳までの子供が相手でしたが、児童養護施設は18歳までと幅の広い年齢の子供がいます。思春期を迎えている子供たちの相手もあるので、とても大変です。一般家庭の「思春期の子供」とはまた違った難しさがあります。
一般家庭であれば、ただ単に反抗期に突入してストレスが溜まるといったところでしょうが、児童養護施設においては親がいない・虐待を受けた心の傷などによって、より複雑な感情で反抗をするのです。
そういった子供たちのケアをし、信頼関係を築いていかなければなりません。児童養護施設における保育士の役割というのは、子供が自分から行動することを促して、子供が自分ひとりではできないことを補助するというものです。
児童養護施設での子供たちとの接し方
児童養護施設における子供たちとの接し方は、一筋縄ではいきません。親がいない寂しさと嫉妬、親から虐待を受けた心の傷・・・。それら二つの苦しみは、反発しあい、時には子供同士が傷つけあうこともあります。「親がいるだけマシ」「親がいなければよかった」と。
そういった子供同士の関係にも気を遣う必要がありますし、保育士と子供の関係性も難しいです。実際の心の傷のケアは、カウンセラーや精神科医など専門家に任せます。
ただ、そういった人材が常にそばにいるわけではないため、保育士が子供の細かい心理状態の変化を見極めることが大切です。
多感な時期になると、大人に自分の気持ちを伝えることが難しくなります。親代わりとして接している人であればなおのことです。接し方としては、親というより「お姉さん・お兄さん」のほうが近いと言えるでしょう。
児童養護施設の保育士の求人傾向
児童養護施設の保育士募集ですが、求人数はとても少ないです。それは、施設の数が少ないことに起因します。
保育関連の施設というのは、認可外保育園を中心にして年々増えているのですが、児童養護施設だけは何年も、下手をすれば何十年もあまり増えていないのです。
何十年も前と比べれば少しは増えていますが、数が大きく変化したわいけではありません。施設数が限られており、保育士に欠員が出た場合にのみ求人が出回るため、求人を見かけたらラッキーと言えるでしょう。
児童養護施設で働く保育士の給料・待遇
児童養護施設の給料は、施設によれば公務員と同程度支給されるようです。初任給もそうですが、給料の伸び率も公務員とあまり変わらず、保育士の中でも高収入が期待できるでしょう。
24時間体制の交代勤務で、とても大変な仕事なので、そのくらいの給料をもらうのが当然と言えます。
しかし、その一方で年収300万円未満という施設も多いようです。