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保育士であれば、仕事で絵本を読む機会が多いでしょう。図書館に足を運んで絵本を選んでは、子供たちの前で読み聞かせをする・・・。
でも、ただ漠然と絵本を読んで「子供たちが楽しめればいい」と思っている人が多いことでしょう。絵本の伝えたいこと・絵本のテーマを伝えることにまで考えが及んでいる保育士というのは、そこまで多くありません。
でも絵本には、伝えたいことが必ずあります。そんな絵本の本質を伝える・絵本をより面白く伝えることができれば、保育士としてとても大きなスキルアップになるでしょう。そこで、絵本専門士という民間資格が目に入るわけです。
絵本専門士の資格概要と取得方法について
絵本専門士というのは、国立青少年教育振興機構が行っている民間資格です。その名前のとおり、絵本のスペシャリストとしての人材を育成しています。この資格を取得するのは、ほかの民間資格と比較すると大変なことです。
まず、絵本の専門家などから合計50時間ほどの授業を受け、修了課題をクリアする。それが絵本専門士養成講座というものなのですが、それを一定以上の成績を修めて認定をうけなければなりません。
それだけきくと「授業を受けて課題をするだけだから簡単」と思うかもしれませんが、全員がクリアできるわけではないのです。
第2期の募集は60名の定員があったのですが、応募は491名で倍率は8.2倍。その中から成績優秀者60人程度だけが認定を受けることができるということ。非常に門が狭いことがわかるでしょう。
しかし、取得すれば大きなメリットを得ることができます。
保育士が絵本専門士を取得するメリットとは?
子供の発達段階や季節に合わせて絵本を選べる
子供の発達段階によって、選ぶべき絵本というのは違います。テーマの重いもの・内容の難しいものを低年齢の子供に読み聞かせても、わけがわかりません。
たとえば2歳児や3歳児に「100万回生きたねこ」を読み聞かせても「つまらない」という反応をされるでしょう。5歳児なら理解できる内容でも、3歳児には理解できないことがあります。
低年齢児にはストーリー性やテーマ性が薄い、視覚的にインパクトがあって面白い絵本を選ぶことが好ましいでしょう。
そのようにして、発達段階に応じて絵本を選ぶのに必要な知識を、絵本専門士は十分持っています。ほかの保育士よりも適切かつ面白いチョイスをすることができるでしょう。
また、季節に合わせた絵本なども楽に選べるようになります。
オリジナル絵本の制作に役立つ
絵本専門士は、絵本を選ぶだけではありません。伝えたいテーマを絵本でどう表現すればいいのかなども、学ぶことになります。その知識を活かして、自分自身にそれだけの画力があれば、伝えたいことに応じたオリジナル絵本の制作もできるようになるでしょう。
保育士であれば、一度はオリジナルの絵本を作ったことがあるという人も多いはずです。オリジナル絵本制作をワンランク上のものにするために、この資格が役立ちます。
良い絵本を作れば、それだけ子供からの人気も上がり、ほかの職員からも一目置かれるようになるかもしれませんね。
絵本を読む技術が上がり、高度な絵本の伝え方ができる
絵本というのは、その内容がすばらしいだけでは、よく伝わりません。子供たちに絵本を伝えるためには、読み聞かせる必要があります。
この「読み聞かせ」なのですが、ただ淡々と読むだけでは伝わりにくいです。よりドラマチックに、よりテーマを伝えやすくするためにはより高度な読み聞かせ技術が必要になります。
絵本専門士は、そういった絵本の伝え方もマスターする資格です。今までの読み聞かせから大きく外れた、高度な伝え方・読み聞かせによって、子供たちがより絵本の内容を把握しやすくなります。
前までは絵本をつまらないと言っていた子供も、絵本の読み聞かせが好きになることでしょう。
絵本や児童文学の業界への転職の足がかりにもなる
保育の現場でその知識と技術を大いに活かすだけでなく、絵本や児童文学の業界に転職する足がかりにもなると考えられます。
民間資格で、まだまだ認知が進んでいませんが、その技術と知識量は転職の糧となるでしょう。
企業からの資格の信頼というよりも、その資格を取得する際にマスターした「知識」を信頼させるのです。
そういった業界だけでなく、児童館などでも重宝されることが考えられます。子供に直接かかわる仕事・絵本にかかわる仕事のいずれにも役立つので、活躍の幅がとても広くなるでしょう。
まとめ
絵本専門士の資格は、取得するのがやや困難な資格となっていますが、それだけ得られる恩恵は大きいです。
保育士として「絵本」という分野に関して大きな飛躍をすることができる。それによって仕事も楽しくなるでしょうし、子供も絵本の楽しさを知ることができるでしょう。
絵本を通じて子供に何かを伝え、教育にも役立ちます。
少々難しいですが、興味がある人は取得を考えてみてはいかがでしょうか。