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京都府は保育士の年収がとても高い地域です。平成26年厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータによると、全国平均年収は316.7万円で、京都府の平均年収は351万円となっています。

月収にすると、全国平均が21.6万円で、京都府が24万円です。賞与も全国が57.3万円であるのに対し、京都府では61.9万円となっています。

勤続年数も平均で9.2年と他の都道府県に比べて長いです。給料が高い分労働時間も全国平均より4時間長い172時間となっていますが、勤続年数が長いということは保育士の賃金に対する不満は他の都道府県よりも小さいということでしょう。

近隣の地域から京都府に働きに出るのもおすすめです。京都府で転職をするというのであれば、高めの給料を確保しつつも他の希望条件を重視することができます。

それぞれの希望条件ごとにどのような求人傾向があるか、特徴があるかを考え、効率的に転職活動を行いましょう。

正職員の求人傾向・転職活動のポイント

ライフワークバランスを重視したい方

ライフワークバランスを重視したいということであれば、企業内保育所がおすすめです。その企業の定時にあわせて子供を預かることが多いので、残業がほとんどありません。土日に休むことができ、年間休日数も120日を越えることが多いです。給料も悪くはなく、福利厚生はその会社の社員と同等のものを利用することができます。

京都市全域に求人が多数出回ります。正職員・パート・契約社員の三種類の雇用形態のうちいずれかで募集されていることが多いです。京都市の中でも特に求人が出回りやすいのが、中京区・下京区・伏見区となっています。左京区にもたまに出回りますが、北区はほとんどありません。

企業内保育以外であれば、幼児教室教員や放課後等デイサービスで残業なし・休日日数が多いという条件を満たすことができます。幼児教室は京都市中京区・下京区が多く、放課後等デイサービスであれば、京都市山科区・左京区・上京区・八幡市などで見つけることが可能です。

特技を活かして働きたい方

東京都や大阪府ほどではありませんが、京都府にも幼児向け習い事教室やプリスクール・幼児教室などが多数あります。英語が得意ということであれば、プリスクールが良いでしょう。京都府には二条駅周辺に「キンダーキッズインターナショナルスクール」がありますし、そこは保育士向けに求人を出すことも多いです。

他にもフレンズ・インターナショナル・プリスクールが宇治にあります。京都市中京区にはプリスクールが多数あるので、求人を探す際は中京区で探すと良いでしょう。

京都市右京区・伏見区・左京区には、幼児・子供向けの習い事教室も多いです。音楽教室・スポーツ教室は多いですが、アート教室は少ない傾向があります。幼児教育を行う幼児教室も多いです。

幼児教室は特に左京区に多い傾向があります。岩倉・一乗寺・北山・松ヶ崎・下鴨といった地域やその周辺に多数あるので、探してみると良いでしょう。特に多いのが英語を教える教室・想像力を養う教室です。

非常勤で高い給料を得るには

京都府は正職員として働いている保育士の給料が高いのですが、パートなど非常勤で働く保育士の給料はそれほど高くありません。京都府はどの職種でもそうなのですが、アルバイトやパートの賃金が低めです。保育士ではなかなかありませんが、他の職種だと最低賃金スレスレということが多く、最低賃金より低いこともあります。

保育士のアルバイト・パートの時給は、900円から1,000円までというのが相場です。それよりも高い時給が京都府における高時給となります。保育士の時給でよく「高低の境目」とされるのが、1,200円。1,200円以上は全国で考えてもとても高い時給と言えるのですが、こと京都府においてはとても希少価値があるのです。

京都府は時給が高くても1,150円まで。1,200円以上というのは契約社員や派遣社員といった雇用形態でなければなかなか見つけられません。1,200円以上の時給で働きたいなら、契約社員・派遣社員で求人を探しましょう。

パートなら1,000円から1,150円を目安に、できるだけ時給の高い求人を探す必要があります。比較的パートの時給が高めなのは、京都市北区・南区・二条・右京区あたりです。時点で上京区や日向市などにも多く見られます。

派遣社員だと、中には1,500円以上1,650円未満というところもあるようです。1,500円を超える自給を得ようとする場合、京都市北区や西京区・長岡京市といった街中から外れたところで働くことになるでしょう。

復職したい場合の転職活動のポイント

京都府福祉人材・研修センターを利用しよう

各都道府県に福祉関係の研修センターがあったりしますが、京都府にも福祉人材・研修センターというものがあります。ここでは保育士として働きたい・復職したいという人の支援を行っているようです。求職登録をすると、無料で求人紹介を受けることができます。

一般的にこういった機関が運営している人材紹介・職業紹介というのは、求職者が求人票を閲覧してアプローチをかけるというタイプのものが多いですが、京都府では「スカウトサービス」という、求人事業所からのスカウトを受けられるサービスが実施されています。これは希望者のみに実施されるサービスで、求職情報(年齢・性別・所有資格や就職希望条件など、個人を特定できない情報のみ)が公開されることによって、スカウトされるという仕組みです。

紹介・斡旋だけでなく、就職フェアや各種セミナー、施設見学会なども行っています。研修やセミナーを受けることができるのは、ブランクがある人にとっては大切なことです。ブランクがあるとどうしても職場復帰が不安で二の足踏んでしまう人が多いですが、研修会やセミナーに参加することで、その不安が少しでも払拭できます。

こういったサービスを利用して安心感を得、求人を探すというのが復職の近道です。

京都府における復職希望者の給料のライン

京都府は平均年収が高いですが、それは勤続年数が長いからだと言えます。新人保育士の給料を見てみると、17万円から20万円程度ということが多く、それほど月給が高いわけではありません。それでも他の都道府県に比べると給料が良いようですが、ブランクがあるなら、期待しすぎては満足に求人が得られないこともあります。

ブランクがある人の給料の最低ラインは、18万円または19万円と設定しておきましょう。その中でも、月給17万円以上25万円未満というような、給料の範囲が広く設定されている求人を探すと思わぬ高月給になることも考えられます。給料の範囲が広く設定されている場合、最低月給は18万円より低くてもかまいません。

交渉を進める中で18万円を下回るようであれば、こちらから願い下げればいいだけのことです。このようにして転職活動をすすめていくと、自分の市場価値というものも理解できます。何度か交渉決裂になることもあるでしょうが、その中で自分の市場価値を見極め、実現でき得る最大限の月給を得るようにすれば、ブランクがあっても待遇の良い職場に転職することができるでしょう。

京都府はブランクOKという職場がとても多く、どの施設で探したとしても見つかります。前項で述べているような重視する事柄ごとに施設・地域を絞って探すと良いのではないでしょうか。

京都府保育士緊急確保対策事業

京都府は保育士を確保するための事業を、民間と協力して行っているという特徴があります。潜在保育士を対象として、京都府とヒューマンタッチ株式会社が協力をして「京都府保育士緊急確保対策事業」として行っているものです。

保育教育に関しては国内初のBTEC認定校であるヒューマンアカデミーが、保育の基礎・実践・コミュニケーションやビジネスマナーのブラッシュアップ研修を行っています。研修だけでなく、紹介予定派遣として仕事を思い出し・慣らしてもらいながら、ゆくゆくは保育所に正職員として就業するという、就業支援も行っているのです。

職場復帰の不安要素である「ブランク」に関しても、上記のような研修で払拭することができますし、利用しない手はありません。

まとめ

京都府は保育士にとって働きやすいと言えるでしょう。平均年収が高い点、施設の種類が多い点、施設数が多い点、復職者に対する支援事業が手厚い点……さまざまな点において働きやすい条件が揃っています。

正職員でも非常勤でも、自分の希望条件を十分にかなえることができるでしょう。