[PR]
保育士に限らず、最近では残業時間の長さがいたるところで問題になっていますね。日本人は働きすぎているというのは、外国目線の言葉ですが、日本人としても働きすぎだという自覚があるでしょう。
最近では残業時間が長く、残業をしても残業代が出ないサービス残業を強いられているという人も多いです。
そういったところはブラック企業と呼ばれ、非常に問題視されていますが、保育士の職場もあながちホワイトとは言えません。保育士の残業時間や残業代の実態について、見てみましょう。保育士の職場はブラックか、ホワイトか、はたまたグレーなのか・・・。
保育士は残業が多い?
厚生労働省の発表による残業時間
残業時間について知るほうほうは、様々なものがあります。こういった労働環境の調査などは、厚生労働省の調査が信憑性が高いと思っている人も多いでしょう。では、厚生労働省の発表による保育士の残業時間について説明します。
厚生労働省は、保育士の残業時間を4時間と発表しました。「一日4時間」ならとても多いのですが、「一月に4時間」です。本当にこの発表のとおりであれば、一日に十数分というような割合になり、ほとんど誤差の範囲ですね。
しかし、「短すぎないか」と疑問を感じる人も多いでしょう。
でも実際の残業時間は…
厚生労働省の発表と、実際の残業時間には食い違いがあります。実際に保育士をしているという人が、個人のブログなどに残業時間を書いているのです。
また、さまざまな団体や会社によるアンケートにおいても、実際の残業時間が打ち明けられています。そういった実態が垣間見える口コミやアンケート結果を見てみると、残業時間はお世辞にも短いとは言えません。
保育士の仕事は、子供の面倒をみることだけではありません。事務的な仕事も多数あり、掃除や会議などもしなければならないため、子供が帰ったあとにも仕事はたくさんあります。そのため、一日8時間の労働時間と定められていたとしても、それが守られないことが多いのです。
残業だけでなく、持ち帰りの書類作成などの仕事を含めると、一ヶ月の残業時間は40時間を超え、60時間という場合もあります。一日に2時間から3時間程度残業をしているというわけです。
タイムカードを押してから残業させるケースも
4時間と40時間というのは、10倍・10分の1です。厚生労働省の発表と、実際の残業時間に開きがありすぎますね。
どうしてこんなにも開きがあるのか、厚生労働省が保育士の人員不足解消のために盛っているのか、気になるでしょう。人員不足解消のためという思惑があるかは定かではありませんが、厚生労働省の調査方法などに問題があるとされています。
厚生労働省は抽出調査によって調査を行い、証拠資料としてタイムカードなどの記録を使っていると考えられているのです。職場には、勤務時間が守られているかなどの監査が来るのですが、その際に見られるのがタイムカードとなっています。
保育士の残業手当支給の実態
タイムカードで給料を出すため、残業代は出ないことも
給料というのは、タイムカードという一種の「労働時間の証明」によって導き出されます。タイムカードに無い分の残業時間は、書類・データとして残っている証拠が無いため、給料に反映されません。
そういった一種の詭弁のような言い訳から、残業代を出さないところが多いです。残業代について言及しても、「記録に残っていない」と言い返されてしまいます。
いわゆる、サービス残業が当たり前となっているわけです。
株式会社経営の施設にサービス残業が多い
保育業界全体にサービス残業が多いのですが、特に多いのが株式会社経営の保育施設です。株式会社は教育機関でもなければ福祉機関でもありません。
会社という体裁を保っていくためには、利益が無ければならないのです。保育施設という収入がある程度固められ、決まりきってしまっている運営形態の中、利益を上げるためには人件費を削減しなければなりません。
利益優先主義から、サービス残業が当たり前となってしまっているのです。
公立以外の保育園への転職は慎重に!
保育士の残業時間・残業代についての実態を見てみると、一般のブラック企業と言われているような会社と、何も変わりがありませんね。公立のところは公務員ですから、残業が少なく、残業した分は残業代が出ますが、私営のところはそうもいきません。
利益優先というのは、資本主義国家である日本においては当然ですが、この残業時間・残業代の実態については、納得できない人も多いのではないでしょうか。
とは言っても、すぐに労働条件が改善されるわけでもないので、公務員の保育士を目指すのも、視野に入れると良さそうですね。