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保育士の待遇改善というのは、近年声高に叫ばれていることです。保育士の待遇は昔から悪いと言われており、それは現在でも変わりません。

しかし、それは全体を見たときのことで、それぞれの自治体や職場ごとに見ていくと、少しずつですが待遇改善の取り組みがされてきています。

自治体ごとにどのような取り組みがあるのか、職場ごとの取り組みはどのようなものなのか、待遇改善に取り組んでいる事例について見てみましょう。

ただ、これから紹介するのは「取り組んでいる例」であり、「実際に改善された」ということではない場合があるのでご了承ください。

各自治体の取り組み

東京都の取り組み

東京都では、2015年度から保育士に補助金を支給しています。この補助金は1人あたり月に平均2万円というものです。

保育士の評価制度・昇進制度を導入している「民間事業者」を対象にして、保育士1人あたりの給料を2万円ほどアップさせるという取り組みになります。

また、これとは別に各区市町村独自での取り組みもあるようです。世田谷区・大田区では、借り上げ社宅の家賃補助の上限を8万2千円にまで引き上げました。東京では家賃が高いところが多いですから、上限が低いと家賃補助の意味をなさないこともあったのです。

千代宅では、給料上乗せ・保育士の人員増強のために使用するという条件で一人あたり月額二万円を補助金として支給するとしています。

神奈川県の取り組み

神奈川県では、0歳から2歳の子供が定員を超えている施設に対して、保育士の配置基準を満たすために必要な雇用費用の半分を市町村に補助するという取り組みを発表しました。

また、川崎市では処遇改善費として1人あたり月額平均1万7千100円の補助金を支給するとしています。これはその前に比べて7,500円のアップです。

横浜市では、借り上げ社宅の家賃補助を上限6万円まで支給するとしています。これは、継続就業5年までの支給です。

名古屋・福岡の取り組み

名古屋市では、2014年度から、臨時職員として仕事をしている保育士の時給を軒並み100円アップしています。その時給の賃上げ分は、それぞれの保育園を運営しているところに自治体から支給されるといった形で支給されているのです。

福岡市では、2013年度から年間1人あたり10万円ほどボーナスを支給しています。福岡市は、2014年4月に待機児童ゼロを達成しており、保育士の待遇改善などについてはとても注目できそうですね。

施設ごとの取り組み事例

保育士の教育に力を入れ、経営安定から待遇改善を図る

職場ごとに行っている取り組みとして、保育士の教育に力を入れるというものがあります。

保育施設では、キャリアアッププラン人材育成システムや技術サポートなどがうまくいっていないところが多いです。そのために、保育士の育成が十分に行えていませんでした。

保育士の教育が、保育士の待遇改善にどう繋がるのか。それは保育士の教育制度を明確にすることによって保育士を集め、人材不足をなくすということがまずひとつです。

次にそれによって経営を安定させて、保育士一人当たりの給料をアップさせるという好循環を作ることによって、保育士の待遇改善をしようという取り組みになります。

こういった取り組みは、さまざまな施設で行われているようです。

以前より給料を高く設定する求人が増えてきつつある

今まで人件費に回さず、他の施設への資金移動や外注費に使っていた費用を人件費に割り当てることによって、以前より給料をアップさせようとしているところもあります。

そういった取り組みなどによって、実際に以前よりも給料を高く設定している求人が増えつつあるのです。求人を見ていると、20万円~という記述も多く見かけるようになりました。

残業ゼロ・有給の確保から待遇を改善するところもある

給料アップさせることが難しいというところでは、残業を減らし、有給休暇の消費率を高くするというところから待遇を改善させようという取り組みも行われています。

これが成功すれば「残業が少ない」「有給がとれる」ことに魅力を感じた保育士からの応募も増えるでしょうから、人材不足の解決にもつながり、経営安定にも繋がるでしょう。そうすると、最終的に給料アップにも繋がります。

まとめ

自治体やそれぞれの職場ごとに、保育士の待遇を改善しようと、さまざまな取り組みが行われています。現在その取り組みが実を結び、待遇が改善されているところもあれば、まだまだこれからのところもあるでしょう。

しかし、今後そういった取り組みが全国規模で広がっていけば、保育士の待遇は今より良くなるのではないでしょうか。