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ここ数年、公立保育園がどんどん民営化しています。過去にさまざまなものが、民営化されてきました。国鉄がJRになり、郵政も民営化され・・・。一時期、図書館の民営化などの話も盛んに耳にすることがありましたね。

民営化によって便利になる・恩恵を受けるのは、いつでも利用者側です。職員側は、いつでも苦い汁を飲まされることになります。

民営化されれば、保育士にも影響が出るのです。それは必ずしも良い影響とは言えません。そこで、2016年現在における公立保育園の民営化の動きや、民営化による保育士への影響などについて考えてみましょう。

公立保育園の民営化、その現状は?

公立保育園の民営化の現状は、厳密には自治体によって異なります。自治体によっては思うように進んでいないところもありますが、自治体によってはコツコツと目標に向かって一直線に進んでいるところもあるのです。毎年会議が行われ、資料をまとめ、PDFとしてインターネットで閲覧できるようにしている自治体もあります。

そういった資料などを見てみると、ここ数年で公立保育園の民営化は着々と進んでいる傾向があるようです。

民営化は急速に進んでいるわけではありません。2016年現在、民営化が着々と進んでいる傾向があるといっても、2017年に完了したり、2018年に完了するものではないのです。どの自治体でも、それは同じでしょう。まだここから数年・十数年かかることがあります。

公立保育園の民営化による保育士への影響は?

保育士へのアンケートによると…

公立保育園の民営化について、自分自身何か意見を持っている人も多いでしょう。反対か賛成か賛否両論あることでしょうが、自分のほかの保育士はどう思っているのかを考えてみます。

とある会社によって行われたアンケートで、160人の保育士に公立保育園民営化について賛成または反対どちらの立場なのかを問うたデータがあります。

それによると、賛成が27.5%、反対が40.6%、どちらとも言えないというのが31.9%となっているのです。つまり4割は反対であり、この中では反対だという人が最も多かったということになります。

賛成派の意見としては「保育の質の向上に繋がるのではないだろうか」「個性的な保育園が増えるのではないだろうか」というものがあるとのことです。

反対派は「行政の責任放棄」と、行政の責任を問う声が大きくなっています。賛成派と対立するように「保育の質が下がるのではないか」という意見を述べる人も多いです。

民営化すると職員総入れ替えになる

民営化をすると、公立保育園で公務員として働いていた保育士が、そこで働くことができないようになります。違う保育園へ移らなければならないのです。

そこで働いていた職員は、総入れ替えすることになります。これによって雇用機会が与えられるという考え方もあるでしょう。

しかし、公務員として働いていた保育士はどうなるのか。もしも自治体内に公立保育園が無くなればどうなるでしょうか。

公務員で働く保育士という概念が崩壊します。無くなるとまではいかずとも、数は減っていくのです。公務員という働き方が、より貴重なものになり、ハードルも高くなります。

民営化すると以前のような良い待遇ではなくなる

公立保育園が民営化されたところで、公立保育園であった頃と同じ程度の待遇=公務員と同程度の待遇が得られるのかどうかと問われれば、答えはおそらくNOです。

民営化するということは、利益を出さなければならないということであり、現在株式会社が運営している無認可保育園とあまり変わりません。

中には訴訟が起こされたケースも

公立保育園の民営化をめぐって、訴訟が起こされたというケースもありました。

保護者の同意がしっかりと得られないままに民営化された公立保育園があり、保護者と園児たちが行政訴訟を起こしたというものです。

自治体によっては半ば強制的に民営化をすすめようとするでしょう。この訴訟では、行政処分の判決は出ましたが、民営化取り消しについては敗訴しました。